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小林聡美の原点『転校生』

2010年06月28日 20:38

転校生二人
原田知世版『時をかける少女』
を昨日、記事にしましたが、
ここまで来ると、大林宣彦監督の
「尾道三部作」に触れないことには
どうにも気が収まらなくなってきました(^^)

転校生(1982年)

言わずと知れた日本映画の金字塔ですね。
※注:ネタバレあり(今さら!)
小林聡美/尾美


公開当初は地味にスタートしましたが、
その後評価は高まり、
度重なるテレビ放映もあって、
誰もが知るメジャー作品となりました。

尾美としのり・小林聡美の出世作でもあります。

「時かけ」同様リメイクも多く、
体と心が入れ替わるというフォーマットは今や定番であり、
安直な企画ものいうイメージさえ持たれてしまいます。


映画はとてもコミカルに展開し、笑いも絶えませんが、
思春期の男女の体が入れ替わるという、
非常にきわどいテーマを扱っています。
そしてここでも大林宣彦は尾道の風景を活かし、
クラシック音楽を多用した叙情感あふれる演出で、
心の葛藤を真摯に見つめることにより、
危うい生々しさを、ぎりぎり回避しています。

・・・いえ、ある意味回避できていないのかも知れません。

それほど小林聡美は文字通り体当たりの演技で挑んでいます。

前半はシチュエーションの面白さに笑うばかりですが、
後半にさしかかるにつれ、主人公ふたりの、痛々しい程の切羽詰まった思い、
心境の変化に感情移入し、心を揺さぶられる展開となります。

特に瀬戸内海の島への逃避行の船上のシーンなどの、もの悲しさは尋常ではありません。

最後には神社の石段から再び転げ落ち、もとの体に戻ります。
お互いのすべてを知り尽くしたふたりは、たまらず泣きながら抱き合います。
しかし、それは恋愛ではありません。
あっさりと、なにもなかったかのように、お互いの家に帰るのです。


そして感動のラストシーンへ。

父親の転勤で尾道を去ってゆく一夫を見送る一美。

この時の白いワンピース姿の小林聡美のなんと可愛く、美しいこと!

動き出したトラックの助手席から、追って来る一美に8ミリカメラを向ける一夫。
「サヨナラ、オレ」
「サヨナラ、あたし!」。
8ミリカメラの中の一美は次第に小さくなり、立ち止まると、
くるりと後ろに振り返り、スキップをはじめます。

転校生ラスト1

転校生ラスト2

この尾道三部作の第一作とされる『転校生』は角川映画ではありません。
製作にはATG(日本アート・シアター・ギルド)が名を連ねています。
実験性や芸術性を追求したATG作品のなかでは、ある意味異質ではありますが、
単純な娯楽映画でもないこの『転校生』は、いつまでも初々しさを失わず、
青い緊張感につつまれた、まさに“転校生”のような映画ではないでしょうか。


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[関連記事]→時をかける少女 Forever



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コメント

  1. Buchousan(wakasa991) | URL | -

    「尾美としのり」も

    重要な役割ですね。主演よりでしゃばらないキャラクターと言うことで、
    非常に重要な役割だったと思います。大林作品よく出てましたね。

  2. ロボトリア | URL | -

    >Buchousan(wakasa991)さん

    コメントありがとうございます。

    >「尾美としのり」も重要な役割ですね。

    彼は今でも重要な役どころを任される事が多く、活躍されていますが、
    若いころからとても器用な役者さんでしたね。
    「時かけ」でも、主演の未熟なふたりをグイグイ引っ張っていくたのもしさがありました。
    大林監督からも信頼されていたんだと思います。

  3. electrocat | URL | Aiam0OL6

    やっぱり(笑)

    こういう展開、来ると思っていました^^
    これも好きですっていうより、最初見たときは「すごい!」っとただただ引き込まれました。何にって、小林聡美の演技力にです。だって、本当に入れ代わっているとしか思えないんですもの。あの体当たりのシーンもすごいけど(笑)

    ロボトリアさんも書かれているように、またまた最後のシーンがいいですね。
    当時は少し寂しく思いましたが、後で観た時には爽やかで気持ちよかったです。

    蓮仏ちゃんのも観ましたけど・・・これはさすがに寂しすぎでした(T_T)

  4. ngo900jp | URL | Zzi9DAjw

    青い緊張感

    というのが非常にこの映画の雰囲気をよく表していますね。

    ここまで来ると次は、富○靖○さんでしょうか???

  5. ロボトリア | URL | -

    >electrocatさん

    コメントありがとうございます。

    尾美としのりもすごかったけど、小林聡美はホントにすごかったですね。
    あそこまで割り切るプロ根性に本当の漢を感じました(笑)
    って、ですものってw
    ・・・あっ、電脳猫さんとゆかちゃんが入れ替わるという妄想記事はどうですか?エヘヘ。

    >蓮仏ちゃんのも観ましたけど・・・これはさすがに寂しすぎでした(T_T)

    そうなんですか。ボクは観てませんが、やっぱり青春映画は爽やかな後味にして欲しいですね。

  6. ロボトリア | URL | -

    >ngo900jpさん

    コメントありがとうございます。

    思いを込めたディテールに気付いていただきました。嬉しいです!

    >ここまで来ると次は、富○靖○さんでしょうか???

    ピンポーン。正解でございます(^^)

  7. PPPHIVE | URL | -

    やっぱり

    来ましたね、尾道三部作(^^)
    ロケ地に尾道を選んだという所がすごく情緒的でした。
    瀬戸内というのは波も穏やかで、それを囲む山口、広島、岡山、
    兵庫、愛媛、香川、徳島とどこを取っても絵になります。
    親父が愛媛、叔父が広島、僕が兵庫だったので凄く落ち着く
    風景なんですよね(^^)

  8. ロボトリア | URL | -

    >PPPHIVEさん

    コメントありがとうございます。

    尾道三部作を観れば、誰でもあの風景は憧れると思います。
    今なら、なおさらではないでしょうか。
    ボクは新婚旅行、尾道にしてしまいました(^^)
    素晴らしい町並でした。ラーメンもうまかったです。

  9. nishikawa | URL | -

    高校生の頃学校で見ました。

    高校生の頃選択授業みたいなのがあってそれでビデオで見た記憶があります。

    ラストシーンのスキップは先生が未来への希望を意味するみたいな解説をしてたような記憶があります。

    しかし今になって小林聡美だったと気が付くとは。。。

  10. ロボトリア | URL | -

    >nishikawaさん

    >はじめまして! コメントありがとうございます。

    授業で観たんですか! 粋な高校ですね。
    この映画を選んだのは素晴らしい選択だったと思いますが、
    もし男女共学の高校でしたら、ちょっと照れくさいですよね(*^^*)

    >ラストシーンのスキップは先生が未来への希望を意味するみたいな解説をしてた

    先生は明らかに大林宣彦ファンですね(^_^)v

  11. ぴーちゃん | URL | ZitCANYc

    はじめまして

    転校生大好きです。。

    初めて「贈る言葉」が流れる中を、卒業した中学生です。つまり金八先生の最初の卒業生と同じ年!←回りくどい!?

    たのきんトリオと机を並べていた小林聡美さんが主演ということで、高校2年の私は、学校帰りの初日に映画館へ。

    はまったはまった!!

    テレビ放映も録画し、オリジナルのどこの部分がカットされているかまですべて把握。。母親と水着を買いに行くシーンや、家出したとき泊った旅館でビールをいっき飲みする部分がない!など、みつけては満足しておりました。

    久しぶりにしっかり観たくなりました。

    DVD買おうかな~!

  12. ロボトリア | URL | -

    >ぴーちゃんさん

    はじめまして! コメントありがとうございます。

    だいたい同年代ですね。「贈る言葉」。歳を経るごとに懐かしさが増してくる曲ですね。
    映画館でご覧になったのですか! ボクはテレビが最初で、その後に名画座で何度か観ました。
    尾道三部作は特に映画館で観たほうが、心に染みますね~。
    「転校生」はボクもしばらく観ていないのですが、観たら泣きそうです。

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