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夢の途中

2013年04月25日 14:57

ぱふゅ〜む4:25


「あれです! あれ私たちです! 今度インストアイベントやるんで是非来てください!!」

30分に1度、自分たちのビデオが映し出される街頭ビジョンを指差しながら、
必死にうったえかけた。
「お願いします! お願いします! 私たち、ぱふゅ〜むといいます!」

足早に通り過ぎる通行人にビラを差し出す。 半ば強引に。
受け取ってくれる人は極くわずかだった。
やっと受け取ってくれた。
そう思った次の瞬間、ビラは道路に捨てられた。

足跡の付いたビラを拾い、かじかむ手を息で暖める。
ダウンジャケットを着ていても真冬の寒さが身に染みてくる。

それでも毎日ビラを配った。
来る日も、来る日も、毎日300枚ずつ・・・


イベント当日。
来てくれた観客は2人・・・


スクールでは花形スターだった。
期待の星だった。
学校の友達との遊びも断り、練習に練習を重ねてきた。

その結果がこれだった。
これが今の自分たちの実力。
打ちのめされた。

受け入れるしかない。
次は3人呼ぼう、4人呼ぼう・・・
お互い笑顔で励まし合った。
後ろ向きな言葉は決して口に出さなかった。

でも、内心は・・・
奥歯をギュッと噛んだ。






あこがれの上京を果たした。

サンスト4:25

でも、自分たちを知る人はほとんどいない。

手作りのビラを作った。
工夫をこらした手書きの文字、イラスト、
私たちはこんな人ですよ、というメッセージを込めて・・・


買い物に来た人たちを、たまたま通りすがった人たちを、
振り向かせるためにはどうしたら良いのか、必死に考えた。


歌い、踊り続けるしかなかった。
自分たちの武器はそれだけだ。

昨日よりも今日、今日よりも明日・・・亀の歩みだった。


サンストチラシ





故郷に帰ると両親はあたたかく迎えてくれる。

「次のシングルはベスト10目指すよ!」
「あんたたちは武道館でやるんよ!」

励ましてくれるのは嬉しい。
でも、東京の現実も知ってほしい。

「紅白に出るのを待ってるよ!」
「東京ドームはいつになるかねぇ」


(いい加減にしてよ!)


つい、そんな言葉が出そうになる。
グッと言葉を飲み込んだけど、態度には出てしまった。


帰りの新幹線で自己嫌悪に陥る。
みんな一生懸命応援してくれているのに。
家族は唯一の味方なのに。
昨日の自分ときたら・・・


感謝と謝罪のメールを送った。
すぐに励ましの返信が来た。


涙があふれてきた。

とめどなく。


泣き顔を隠すために窓の方を向く。
トンネルに入ると自分の顔が映る。
泣いてるのか、笑ってるのか、
くしゃくしゃだった・・・




***





「あ〜ちゃん」




「あ〜ちゃん!」


「あ〜ちゃん、起きて、着いたよ!」


「ん、う〜ん・・・え? もう着いたん?」


「そうだよ。あ〜ちゃんずっと寝ているから・・・え? 泣いてるん? 顔! あははは」


「え、やだー、なんか昔のことが夢に出てきてしまって・・・うふふふ」



長旅を終えた飛行機は、順調に着陸軌道を描き、ケルン・ボン空港に着陸した。


入国手続きを終え、通路を抜けると、
そこには彼女たちを待ちわびた数百人のファンでごった返していた。


「Perfume!! Perfume!!!!」


皆、思い思いの歓迎のメッセージを書き込んだプラカードを持っていた。


「わ〜! すごいねあ〜ちゃん! ドイツにもこんなにたくさん・・・」

「ほんまじゃね〜、よかった・・・」



(みんな待っとってくれてありがとう。
 これから、もっともっと振り向かせてやるけんね!)


そう心でつぶやくと、彼女たちは颯爽とファンの待つ方へ歩いて行った。








wortuor2nd.jpg




※これは事実をもとに妄想をふくらませたフィクションです(^^)



行けー!! Perfume!!!!!!!














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コメント

  1. セラミックおじさん | URL | -

    最後のピースさえ実現すれば、ドキュメンタリーになる

    ケルンの空港にPerfumeファン数百人集まれば、すべてが実話になりますね

    問題はケルン・ボン空港での警備体制ですね… と、こんな水を指すようなコメントを書けるくらい、信じられない現実が実現しそうなんですよね〜  地方限定アイドルから世界ツアーにまで登りつめたのですから、これは「みんな」の夢でもあるわけです

    日本の音楽が世界で「ポップス」として認められるのは、おっさんたちの夢でもあったわけです

    捨てられた何百枚ものビラさえも、「何一つ無駄ではなかった」んですよね〜 感涙です

  2. smile | URL | -

    この前広島旅行に行ってきたところでして
    NAVIA前にも行きました。
    雨も日もあっただろうに
    1人でも多くの人に好きになってもらいたいと
    ひたむきにビラ配ってたんでしょうね。

    初めての肌の色が違う国でのライブ
    でもいつものライブをすればいい
    きっと彼らもそれを望んでいるはずですから。
    積み重ねたものがあるから大丈夫。
    安心して世界へ踏み出せPerfume(^^)

  3. ロボトリア | URL | -

    >セラミックおじさん

    コメントありがとうございます。

    Perfumeがものすごい勢いでブレイクしていった2007〜08の頃、
    よく海外ツアーの妄想話が出ました。
    その頃はそうなったら凄いけど、まさかね・・・と思ってましたから。
    もう、現実が妄想に追いついて来てしまっている昨今です(笑)

    YMO以来、またこんな夢に立ち会えるなんて夢のようです。

  4. ロボトリア | URL | -

    >smileさん

    コメントありがとうございます。

    おお、あの現場に行ってらしたんですね。
    こないだの「徹子の部屋」でこのエピソードをまた話してましたので、
    こんな妄想をしてしまいました(笑)
    雪の降る中も配ってたと言ってましたね。

    >でもいつものライブをすればいい

    そうですね! なんたって百戦錬磨ですから。
    アウェイであればあるほど燃える3人ですから。期待しましょう!

  5. とらやぎ | URL | -

    火星への通過点として当然いくでしょう。

  6. ロボトリア | URL | -

    >とらやぎさん

    コメントありがとうございます。

    言霊っておそろしいですね。
    着実に火星に近づいています(笑

  7. おひさま | URL | F4mscU5.

    日本的な音楽になれば

    初めて投稿させて頂きます。自分はちょっと的外れでレベル低いことを書くかもしれませんが、ご容赦ください。

    こんどのヨーロッパツアーでは、日本の「歌謡曲」的なアレンジ、展開になることをひそかに期待してます。

    Perfumeがポリリズムでヒットしてから、「テクノ・ハウス系が売れるわけね」とフォロワーもずいぶん増えてることはご存知と思います。正直、その部分だけ比較して聴けば、Perfume大丈夫かという気にもなります。(純正バキバキはGAME・edgeだけですから)

    でも、テクノ偉い!だからPerfumeサイコーっていうなら、どうしてドラえもんの主題歌なんか引き受けたんだって話になります。ありゃ、テクノかって。

    使い古された物差しかもしれませんが、単純で美しい日本語を美しいメロディーにのせ、美しいハーモニーで歌い上げる。これが中田ヤスタカとPerfumeの真髄であって、テクノというのは売り出すための引き出しの一つに過ぎなかった、本質的には「歌謡曲」を目指したものであるというのが、今現在の自分の考えです。
    (ここでいう歌謡曲というのは、世代を超えた「大衆」が共感できる流行歌という意味です。いつからか「紅白」が2部構成になったのは、音楽の嗜好があまりに細分化し、結果として世代やライフスタイルの違いを超えて伝わるような「歌謡曲」がもはや存在できないからでしょう。)

    こういう歌謡曲的なものがヨーロッパで受け入れられる土壌があるのか全くわからないのです。(導入があって、AメロBメロ、サビに間奏と、歌謡曲には独特の形式美の要素もあるので。)
    でも「ポリリズム」でさえ歌詞は五七調。日本語をどうやってメロディーに合わせるかというところを、見事に伝統芸でクリアしてる。
    もちろん、いわゆる「YMO以来」という言葉で中高年のPerfume人気を解説する方もいますが、それならフォロワーがそれほど売れてるのか?この見解は自分にはどうもしっくりこないのです。

    せっかくヨーロッパまでいくんだから、無理に向こうに合わせたりせずに、日本の歌を聴かせてあげなよって思います。PerfumeはあくまでPerfumeなので。

  8. ロボトリア | URL | -

    >おひさまさん

    はじめまして! コメントありがとうございます。

    Perfumeが歌謡曲的であるというおひさまさんの持論、大いに納得できます。
    ボクもPerfumeはあくまで大衆に向けたポップス、まあ歌謡曲と言い換えても良いのですが、
    そう思っています。先鋭化したバキバキな楽曲は一部であること、
    中田さんはひねくれているようで、非常にバランス感覚を持っておられるので、
    一部の好事家だけのための音楽でないことは明らかです。
    日本のポップスである歌謡曲が外国でどう受け入れられるのかはたいへん興味深いですね!

    もうひとつPerfumeの決定的な特徴を付け加えるとすれば、
    ダンスパフォーマンスを抜きには語れないでしょう。
    中田サウンドによる日本の歌謡曲的メロディにのせて踊る独特のダンス表現との融合。
    これこそがPerfumeが唯一無二と言われる所以と考えます。
    多くの人がPerfumeのライブが観たくて観たくて仕方がないのはそのためと思います。

    >いわゆる「YMO以来」という言葉で中高年のPerfume人気を解説する方もいますが、

    はい、まさにその中高年どなんまかであります!(笑)
    「YMO以来」というのは「YMO以来」久々に日本オリジナルのパフォーマンスで、
    勝負できるユニットが生まれた、その興奮具合を語るのに使用させていただいております。

    たしかにボクがPerfumeに興味を抱いたきっかけはPerfumeが「テクノポップユニット」と
    うたっていたからですが、PerfumeがYMOに似ているとは思いません。
    Perfumeの中でYMOを想起させる楽曲は数曲あり、
    中田さん自身も最近になってYMOからの影響を、はっきり公言されていますが、
    やはり、PerfumeはPerfume、YMOはYMOであります。
    共通するものがあるとすれば、お互いテクノとうたいながら、
    人力による肉体表現のプロフェッショナルであるということでしょうか。
    Perfumeは幼い頃から鍛え上げられたダンス表現。
    YMOはテクノ以前に皆、超絶的な音楽プレイヤーでありました。

    たしかなスキルに裏打ちされたイノベーションを巻き起こすプロフェッショナル集団。
    その意味で、これからもボクは「YMO以来」という表現を使わさせていただきます。
    YMOはボクの美意識を形作った根幹であり、アイデンティティなのです。

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