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Perfumeはテクノなのか?

2013年01月09日 20:25

先日のセラミックおじさんのキモスト。
そのなかで問いかけられたこの問題。
なかなか一言ではうまく答えられなかったので、今一度考えてみよう。

「テクノポップユニット」という冠をつけられたPerfumeは、はたして本当にテクノなのか?

これは「Perfumeはアイドルか否か?」という議論と同じように不毛である。
と同時に、同じくらい面白い議論でもある。
「PerfumeはPerfumeだ。ジャンル分けなどナンセンス」と言ってしまえばそれまでだが、
それでは身も蓋もないし、答えとして気が利いていない。

「テクノの庭」というブログタイトルでありながら、現在のテクノ事情にまったく疎いボクなので、
はなはだ主観的になるであろう事をあらかじめ断りつつ、考えをめぐらしたいと思う。
考えてみることで、もしかしたら「本質」に近づけるかもしれないから。



まず、ボクの考える「テクノ」とは何か。そこから説明が必要だろう。
ボクが知っているテクノはYMOをはじめとする・・・というかほとんどYMOだ。
それとYMOも影響を受けたクラフトワークは避けて通れない。
それと80年代テクノポップ。
テクノ=無機質な電子音楽。という見方もあるが、ボクはそうは思わない。

1980年。YMOは「ライディーン」や「テクノポリス」をはじめとする、
コンピュータ、シンセサイザーを駆使したきらびやかなテクノポップで、
社会現象と呼ばれるまでに当時の世の中を席捲した。
しかし、猫も杓子もYMO。ヤンキー(またかよ笑)や、竹の子族までYMOという、
必ずしも「本質」を理解されない現状に苛立ち、また、
やりたい事を突き詰める衝動を抑えられない彼らは、翌年、アルバム『BGM』を発表する。

BGM
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YMO
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そこで多くのファンはふるいに掛けられた。
ずっしりと、くぐもったような重たいサウンドに、耽美的でイマジネーションあふれる旋律。
前人未踏のクオリティに到達しながらも、単に流行に飛びついて面白がっていただけのファンは、
「YMOはつまらなくなった」と言い、あっさり去っていった。


更に同年、最高傑作に推す人も多い、アルバム『テクノデリック』を生み出す。

テクノデリック
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タイトルに「テクノ」を冠しながらも、電子音は控えめで、むしろ、
当時開発されたばかりのサンプリングマシーンを駆使した生音、
それに生ピアノや手弾きのベースなど、人力の音が目立っていた。
しかしそこで展開された音楽は、紛れもなく「テクノ」だとボクは思った。
誰も聴いたことのない音楽が、たしかにそこにあった。



テクノとは姿勢。
クリエイティビティを追求するためには、手法にこだわらないマインド。
ボクは、そう理解した。
80年代、テクノ御三家といわれた、プラスチックス、P-MODEL、ヒカシューなども、
電子楽器うんぬんよりも、その独自の方法論、超個性的な姿勢がテクノだったと思う。


「Perfumeはロックだ」という人もいる。
これも同じように、そのサウンドを指すのではなく、Perfumeの概念にとらわれない反骨精神、
挑戦してゆく姿勢、アウェイの空間でも観客を巻き込んでゆく姿を指して、
そのように表現しているものと思う。
これにもボクは大いに納得できる。


だがもうひとつ、ボクの考える「ロック」とは違う「テクノ」の要素がある。

それは「抑制」だ。

時に、感情を抑制する。
時に、長年の訓練の末に培ったテクニックさえ封印、抑制する。

抑えに抑えた中からこぼれ落ちるもの、どうしようもなく滲み出てしまうもの。
そんなものの中にこそ、伝わるものがあるのだ。
カラカラに乾いた菜種から搾り出された、透明で美しい琥珀色のひとしずくのような・・・
それこそが「本質」であるという概念、それが「テクノ」なのだ。


ボクがPerfumeに惹かれる部分はそこだ。


特に、ボクが今、Perfumeのひとつの到達点と考える「Spending all my time」は、
その最たるものだと思う。
表情を抑え、ダイナミックな動きを抑え、淡々と繰り返される日本語さえ封印したリフレイン。
現在の日本のエンターテインメントを超越したパフォーマンスは、
テレビ出演さえ視野に入れない。
それが、どれほど魅力的なものになっているかは、もはや説明の必要はないだろう。


samt1:9




YMOの『テクノドン』に大きな影響を受けたと公言している中田さん。
「NIGHT FLIGHT」や「love the world」、はては「ファンデーション」等、
楽曲的にもYMOを彷彿とさせるものも少なくないが、それらは枝葉末節なことだと思う。

また最近では立体フォログラフィを駆使した、まさに最先端テクノロジーを操るスタッフにも恵まれ、
「近未来テクノ感」を高次元で体現していると思う。
しかし、ボクにはそれさえ付加価値的なもののように思える。


彼女たち自身の資質はどうだろう。

ひけらかさない。自慢しない。
たしかなスキルを持ちながらも「どうだ凄いだろう」とは言わない。
でも、おもねらない。

そんな、昔気質の職人のような、自我をも抑制したPerfumeの「引きの美学」にも、
ボクはテクノを感じ取ることができる。




結論:
Perfumeはボクの中では、いまだに「テクノポップユニット」



シティのっち



Perfumeはテクノだ〜〜〜〜!!!!!(笑)


コメント

  1. shirakata | URL | sM/y3BmM

    う~んっ

    一部の隙もない論説・・・


     PerfumeはROCKだぁぁ~(押し返したっ)

  2. セラミックおじさん | URL | -

    もしかしたら…

    Perfumeというのは…

    近未来的テクノポップユニット ではないでしょうか?

    抑制 っていうより 矜持 って感じですねん

    姿勢は テクノ ロックであり

    見てくれは ボンクラ

    ジャンルは???

  3. smile | URL | -

    テクノってなんぞ?

    それがわかってない私ですけれど

    「電子音楽」
    「個性的な姿勢」
    「抑制」

    がキーワードだとすると
    まぎれもなくテクノですね~

    特に「抑制」

    capsuleより抑制された楽曲
    表情の抑制されたダンス
    感情の抑制された歌声
    抑制されている時と素とのギャップ

    どれもPerfumeの核となる要素ですね。

    あと、私も近未来感は付加価値だと思いますね。
    Perfumeが唯一持つヤンキー的(笑)武器だと思います。

    (ちなみに私ヤンキー的要素0なので誤解無きよう)

  4. Sawmasu | URL | 2wT3Kc/2

    PerfumeはPerfumeというジャンルw

    これは、僕がセラミックおじさんのustで発言したコメントです。

    Perfumeはアイドルか、アーティストとか音楽のジャンルはテクノ、それともちょっと進んだj-popかなど常に議論されている内容ですよね。
    いつまで経っても結論は出ないと思いますし、どう捉えるかは個人の自由でしょう。

    僕は恥ずかしながら、テクノというジャンルPerfumeに出会うまでよく知りませんでした。
    テクノとテクノポップは似て非なるものらしいですが、よくわかりません。

    YMOも何となく知ってますが、Perfumeと同世代の僕にとっては関わりのないジャンルでした。
    そもそもリアルタイムで流行った時代知りませんから。

    youtubeなどでテクノ系の音楽探してみるとこれ知ってる! 自分の中でも好きな曲だったということがあります。
    実はこのジャンルに親和性があったようです。

    Perfumeがテクノポップユニットという、今の形態に行き着いたのも、
    どうやったら売れるか関係者の方が一生懸命模索する中で行き着いた偶然の産物でしかないと思います。

    Perfumeはみる人の見方によっていろんな色に見える玉虫色みたいなものじゃないですかね。
    だけど、核にはぶれない彼女達が守ってきたポリシーみたいなものがあって僕たちはそこに共感して応援し続けているのだと思います。

    あ~ちゃんとのっちとかしゆかがいれば何でもPerfume。
    Perfumeという存在は実は3人の内心にのみ存在し、ヤスタカさんの音楽もmikiko先生のダンスもそれを具現化する媒介でしかないのかもしれません。

    Perfumeの本質的な魅力ってジャンルとは関係ないところにある気がしますから。

    よってPerfumeはPerfumeというジャンルとしか考えれないのではないかというのが今の時点での僕の結論です。


    某巨匠ブロガーさんではありませんが、Perfumeって何?って考え続けていくことになりそうですねw

    これもPerfumeの1つの楽しみ方だと思います。
    僕も考えることは好きですから。

  5. ロボトリア | URL | -

    >shirakataさん

    コメントありがとうございます。

    いやいや、隙だらけですよ。 ボクの脳内だけの話ですから(;^_^

    PerfumeはTechnoだぁぁ~(押し返し返しっ)

  6. ロボトリア | URL | -

    >セラミックおじさん

    コメントありがとうございます。

    矜持・・・なるほど!

    大和なディスコユニットにはそちらの方が似合いますね(^^)

  7. ロボトリア | URL | -

    >smileさん

    コメントありがとうございます。

    あくまでボクの考える「テクノ」ですので(;^_^

    Perfumeが「テクノ」に舵を切った時、「テクノユニット」ではなく、
    「テクノポップユニット」としたのがひとつの肝だったような気がしますね。
    ボクの世代は「テクノポップ」という響きに郷愁をおぼえるのですよ(笑)

    >抑制されている時と素とのギャップ

    それ、とっても大事な要素ですね。それがあるから引き返せないんだと思います。

    >(ちなみに私ヤンキー的要素0なので誤解無きよう)

    ヤンキー度ゼロの人っていないと思いますよ。詳しくは本の中に(回し者ではありません笑)

  8. ロボトリア | URL | -

    >Sawmasuさん

    コメントありがとうございます。

    >これは、僕がセラミックおじさんのustで発言したコメントです。

    そうでしたね。もしも気に触ったらすみませんでした。
    Sawmasuさんの他にも、一般的に広く言われているワードとして上げました。

    >テクノとテクノポップは似て非なるものらしいですが、よくわかりません。

    テクノは現在も一線で存在するジャンルで、テクノポップと言うと、
    ボクなんかは80年代のテクノポップを連想してしまうんですよね。
    だからPerfumeが「テクノポップユニット」と名乗っているのを見た時、衝撃でした(笑)

    >YMOも何となく知ってますが、

    お、おじさんは・・・おじさんは・・・(遠い目)笑
    YMOはいろんなミュージシャンの方に影響を及ぼしているので、
    Sawmasuさんも間接的には影響を受けているハズですよ(^^)

    >実はこのジャンルに親和性があったようです。

    ほら!(笑)

    >どうやったら売れるか関係者の方が一生懸命模索する中で行き着いた偶然の産物でしかないと思います。

    そうですね。Perfumeは再現不可能なユニットなんです。考えれば考えるほどそう思います。

    >Perfumeという存在は実は3人の内心にのみ存在し、

    深いですね〜。Sawmasuさん年齢詐称していませんか?(笑)
    本当の内心なんて、本当は誰もわかりません。だって自分の内心からしてわかんないですから。
    でも、Perfumeを見ることによって「なんか、信じていいかも」と思えたりするところが、
    すばらしいですね。

    >これもPerfumeの1つの楽しみ方だと思います。

    これほどその存在の不思議を論じられるグロープって他にあるんでしょうか?
    たしかにそれを考えるのは楽しいですね。だからみんなブログとか始めちゃうんですね。

  9. ororon | URL | VV.rCrK2

    テクノポップって

    和製英語らしいですね
    ロボッチさんと同じく ブログの題名に「テクノ」が入っているororonです(最近すっかり忘れていますが)

    書かれてらっしゃるどうり、YMOもPLASTICSもヒカシューもP-MODELもテクノポップと一括りにできる物ではないと思います

    そして時は過ぎ、underworld等の4つ打ち系がテクノとよばれるようになり 自分としてはちょっと違和感を感じていました

    そんな時出会ったのがPerfume(とPOLYSICS) 
    テクノでこんないろんな楽曲があってもいいじゃないかと気付かされました
    そして今に至ります

    なんかまとまりもなく書いちゃってごめんなさい

    まあ、とにかくテクノということで

  10. ロボトリア | URL | -

    >ororonさん

    コメントありがとうございます。

    >そして時は過ぎ、underworld等の4つ打ち系がテクノとよばれるようになり 自分としてはちょっと違和感を感じていました

    90年代頃にテクノブームがありましたよね。
    電気グルーヴが「テクノ専門学校」で紹介していたような音楽ですね。
    ボクも好きなものもありましたが、全般的には温度の低さを感じましたね。
    良く言えばクール?(笑)

    80年代のテクノポップの人たちはもう、笑っちゃうくらい個性豊かでしたね。
    新しい価値観の提示というか、ほとばしるアイディアの発露というか・・・

    Perfumeはアイドルのカテゴリーで本気のテクノをやるという、
    思いつきそうで誰もやらなかったアイディアがありました。
    ダンススキルとの組み合わせも今までになかったパフォーマンス形態で、
    テクノに身体性を持たせたのも大きいですね。

    まあ、あたらしいテクノと思います(笑)

  11. RM-2 | URL | J7hHUTVE

    テクノをも超えたあたらしいスタイル!

    YMOの細野氏は「テクノとは意識である」と語っていますが、御大にこう言われてしまうと ますますテクノというカテゴリーは分類方法が難解になりますよね w
    あくまでも個人的な感覚ですが...kraftwerk,underworld,,capsuleなどはプログレッシブロックや電子音楽やエレクトロではあっても いわゆる「テクノポップ」とは違うような気がします。
    「テクノポップ」には“電子音”のみならず、“お笑い” “ある種のサブカルやアカデミズムの要素” そして “最先端アートの取り込み”、“表現活動そのものがファッションになるくらいのインパクト”などが必要条件で(ご本家のYMO参照)、これを満たし さらに“キュートでファッショナブルなビジュアル”、“演歌・浪花節的なストーリー”や“ネット動画による生き様の疑似共有&追体験機能”まで加えたPerfumeは、テクノ(音楽)をも超えた新しいエンターテイメントのスタイルだと思うのです。 ステージやwebをサポートするメディアアーチストらも含め世界に誇れるオリジナリティとスキルを備えたPerfumeは テクノサウンドを使った「PerfumeStyle」です。 
    え〜 とりあえず堕文なのに長くてごみんなしゃい ><

  12. ロボトリア | URL | -

    >RM-2さん

    コメントありがとうございます。

    >「テクノポップ」には“電子音”のみならず、“お笑い” “ある種のサブカルやアカデミズムの要素” そして “最先端アートの取り込み”、“表現活動そのものがファッションになるくらいのインパクト”などが必要条件

    そうですねー。たしかに音楽だけにとどまるものではありませんでした。
    音楽畑以外からやってきた人もいましたよね。

    >これを満たし さらに“キュートでファッショナブルなビジュアル”、“演歌・浪花節的なストーリー”や“ネツト動画による生き様の疑似共有&追体験機能”まで加えたPerfumeは、テクノ(音楽)をも超えた新しいエンターテイメントのスタイルだと思うのです。

    おっしゃる通りですね。ボクはこの記事で強引に「テクノ」を拡大解釈して、
    Perfumeの複雑性に迫ろうと試みましたが、RM-2さんに具体的に列挙していただくと、
    そうとしか思えません(笑)

  13. とらやぎ | URL | Xg3OMSns

    ぼくは、Perfumeは電子音楽の女神だと思います。
    ペリキン、そうでないひとカーロス、冨田勲、大野雄二、くらふとわーく、矢野顕子
    細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、てすとぱたーん、あーとおぶのいず、すちゅわーとがすきん、フレンドオブアース、このながれの最終ランナーです。

  14. ロボトリア | URL | -

    >とらやぎさん

    コメントありがとうございます。

    >ぼくは、Perfumeは電子音楽の女神だと思います。

    Perfumeはこの分野に「可愛らしい女性性」を持ち込んだ初めてのユニットなんですよね。
    それと個性的なダンス。それで唯一無二の存在になったと思います。

  15. とらやぎ | URL | -

    P.T.Aの見切れ枠で参加した、さいたまスーパーアリーナ2日目。
    スピーカーが近くて、音が良くて、透明な重低音がたのしめたのですが。
    あのとき、The Openingを聴いて心がふるえました。
    で、三人が登場するわけで、あっこれは、電子音楽の女神だなと思った次第です。

  16. ロボトリア | URL | -

    >とらやぎさん

    コメントありがとうございます。

    ああ、あのThe Openingでの登場シーンですね。
    あの重低音は会場でないと体感できないですね。
    たしかに天上から降り立ったような3人は神々しく見えました。

  17. とらやぎ | URL | -

    アキハバラブの最後の電子音がすきなんだなぁ。

  18. ロボトリア | URL | -

    >とらやぎさん

    コメントありがとうございます。

    アキハバラブいいですよね。
    キッチュな電脳都市のイメージもありますし、
    ある意味いちばんテクノポップっぽいかもしれません(^^)

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