--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

音楽CDにジャケットはいらないか?

2010年06月19日 15:37

愛がコーラス
CD不況といわれて久しいですね。

原因は、趣味趣向の細分化、iTunesなどのデータによる
ダウンロードシェアの拡大などがあげられます。
ngo900jpさんのブログの記事でも
とりあげられていましたが、
データ化されたことによるコストの低下が
著しいようです。
洋楽の新譜などは1200円、昔のアルバムでは
600円などというものもあります。

渋谷のHMVも8月で閉店となります。

今後も物としてのCDは衰退の一途をたどることは
間違いなさそうです。

そもそもこのデフレの時代にCDは高いという印象もあります。
しかし実は音楽アルバムの値段は30年前のレコードの時代から、ほとんど変わっていません。
ですから昔は今よりももっとレコードは高いものという感覚でした。

そんな時代にある画期的な提案をした、アーティストがいました。
矢野顕子『愛がなくちゃね』(1982年)

日頃からレコードの価格に不満を抱いていた彼女は、少しでも多くの人に、
自分のレコードを安く買って欲しいと願い、次のような販売方法にふみきったのです。

愛がなくちゃね本体  愛がなくちゃね写真集

レコード本体は、何も印刷されていない簡素なボール紙のジャケットに収納。
これを1800円で販売。
ビジュアルが欲しい人は、レコード収納が可能な豪華写真集を別売り。
こちらは1000円で、合計すると2800円。当時の標準的なLPレコードの価格となります。

ボクはやはり両方買いました。

写真集の一部を紹介します。(クリックで大きくなります)

愛が写真1 愛が写真2 愛が3 愛が写真4

このアルバムはロンドンでレコーディングされ、
スティーブ・ジャンセンミック・カーンデヴィッド・シルヴィアンの協力も得て
つくられました。とてもよい雰囲気で制作されているのが伝わってきます。

いちばん右は、日本に戻り、糸井重里氏とのひとこま。
「愛がなくちゃね」というタイトルは糸井氏によるもの。


そしてボクが好きなこのカット。
愛が手つなぎ

ボクはこのアルバムの、この時代の空気がたまらなく好きなのです。
当時この写真集を見ながらこのアルバムを聴いていたせいか、
いまでも曲を聞くだけで、何か万感の思いがあふれてきます。

つまみ食いのように音楽を消費することも、それはそれであると思います。
ボクも当時から興味の薄いものはラジオの録音ですませていましたから。
今でもiTunesでダウンロードすることもあります。

ただ、それだけではあまりに寂しいと思いませんか?

LPレコードを慎重にケースから出し、針を落として、
ジャケットのデザインや写真を見ながら、音楽だけに集中する。
そんなのんびりとした時間を、多感な時期に過ごすことができたからこそ、
40代になった今でも、好きな音楽の印象を、鮮明に思い出すことができるのだと思っています。

ダウンロードによる流通革命の功罪は、価格破壊以外にも、このような側面も併せ持つことなのです。

それが、いいか悪いかは、各個人の判断にゆだねるしかありません。
そして、そんなことにはおかまいなしに、今後もこの流れは加速していくことも確かなようです。




愛がなくちゃね。
愛がなくちゃね。
posted with amazlet at 10.06.19
矢野顕子
ミディ (1993-09-21)
売り上げランキング: 10102




ブログランキングにご協力をおねがいします。
にほんブログ村 音楽ブログ テクノへ 人気ブログランキングへ 


コメント

  1. ngo900jp | URL | Zzi9DAjw

    やっぱり愛がなくちゃね

    30年弱前にこのような試みがあったことは画期的だと思います。

    そしてCDの時代になってからは私の記事でも以前に少し触れましたが、Radioheadがアルバム『In Rainbows』において配信形式でアルバムを発表したのみならず、購買者に価格決定を委ねたというのが音楽業界への非常に大きな問題提起となっているように思います。

    話はアッコちゃんに戻りますが、私は「愛がなくちゃね」という曲がものすごく好きです。一人で聴いているとたまに涙が出そうになります。ロボトリアさんのおっしゃるように、この時代の、糸井重里氏やその他時代を作っていた人達とアッコちゃんが織りなすなんだかホワンとした空気がとても心地よく、この曲もそんな世界の一曲です(この曲は糸井氏作詞ではないですが)。

  2. PATTAYA | URL | K8dDMMc2

    今晩は、PATTAYAです。
    今回はまた、非常に興味深いテーマですね。
    私も、本格的にオーディオにハマり、音楽を聞き出した大学に入りたての頃が、CDの黎明期に当たるのですが、レコードのパッケージをそのまま縮小してCDのそれに充てていたことに対しては、浅慮な印象を受けました。
    オリジナルテープを作るために個々の楽曲を切って貼ってとするにはCDは非常に便利ですが、アルバムとしての魅力はレコードの方が圧倒的に上でしたよねぇ。
    まぁ当時は、コンパクト(省スペース)なことは良いことだとする風潮があったように思いますが、例えば今のDVDのジャケットのサイズを使っていれば、CDと言う容れ物を補完するもっと魅力的な資料を付属させることが出来、アルバムとしての魅力も維持出来たのではないかなぁ、と思います。(当然、捨て曲の無い、優れた作品集とすることが第一ですが)

  3. ロボトリア | URL | -

    Re: やっぱり愛がなくちゃね

    ngo900jpさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    今回はngo900jpさんの記事からいろいろと考えることがあり、このような記事を書かせていただきました。自分が仕事柄、出版業界に近い所にいるので、こうした電子化による影響に興味があるのです。Radioheadの件は少し遅れて知りました。大きな問題提起ですが、誰もができることではありませんね(;^_^
    送り手、受け手双方にとって何がベストなのか。今後も模索は続くでしょう。

    80年前半は、YMOとJAPAN、清志郎との関係など交遊が活発な時期でしたね。そこへアッコちゃんが入ると一気に空気がやわらかくなって、“おともだち”みたいになっていくのが面白かったですね。彼女の凄いところだと思います。
    ボクは「ひとつだけ」を聴くと泣いてしまうので、おいそれと聴けませんw

  4. ロボトリア | URL | -

    Re: タイトルなし

    PATTAYAさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    ボクもCDのチマチマしたジャケットを見るたびに、レコードサイズだったらさぞかしインパクトがあったのに・・といつも思います。
    人は便利さと引き換えに、いつも何かを失ってきましたね。
    しかし後戻りすることはできず、何か違う魅力を発見してゆくことも大事かなと思います。
    せまい我が家では、もはやCDさえ置き場所に困っています(笑)

  5. reryo | URL | -

    こんばんは。こちらでは初めてお邪魔いたします。

    ワタシは結構レコードよりもCDというものに恩恵を預かっていた世代なのですが、itunesのようにダウンロードだけというのはいまだなじめないものがあります。
    itunesで購入しても、良かったものはCDで購入し直しています。
    ジャケットや歌詞カードやクレジットなどのパッケージがあって初めてアルバムという作品、芸術になると思っていますので。
    ただし余りジャケットの大小にはこだわっていないのも正直な話なのですが・・・。
    結局は「音」の中身なので。
    そういう意味ではまだまだ音楽配信は音質的に満足できません。AACとかでは、まだまだです。aiffやwavで提供してくれないと。

    面倒くさがりのワタシとしては、手持ちのレコードをワンタッチでリマスターできるシステムがあると嬉しいんですけどねw

  6. ロボトリア | URL | -

    reryoさん、こんばんは。そしていらっしゃいませ!!

    そうですね。reryoさんとほぼ同感です。
    この問題は結局その人の音楽との関わり方で、大きくとらえ方も変わってくると思うので、
    答えはひとつではないと思っています。

    おっさんの感傷が多く含まれている記事なので、レコードの良さにも触れていますが、
    その時代にはボク自身もうもどれません。
    ただ聴いた音楽から「その先」へ広がって欲しいなと思っているんですよねぇ。

    ボクは音質にはあまりこだわらない方なので、ACCでも聴けちゃいますw
    ipodのイヤホンは少しいいものに変えています。
    ただ、今のリマスターされているCDを聴いてしまうと、昔のCDはもう聴きたくないですね。
    レコードの方がはるかに音が良かったと思います。

    >ワンタッチでリマスターできるシステム

    レコードのデータ化・・・ため息がでるほどめんどくさいです(笑)

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://robotoria.blog14.fc2.com/tb.php/66-411f58be
この記事へのトラックバック



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。