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ロボッチ 私の履歴書 Part10

2012年10月03日 20:01

あんあん ああんあん ぱみゅぱみゅ♪
あんあん ああんあん きゃりーぱみゅぱみゅ♪

ということで(笑)ボクも学生時代には、いくつかのバイト経験があります。
ボクの頃は「カーカキンキン、カーキンキン♪」でした(古!)

学生は学業が本分であり、それに集中するのが前提ですが、
アルバイトというものは、その後の仕事をする上で、また人生を生きる上で、
実に貴重な経験を積める場でもあります。
しかもお金も貰えるのですから、出来る環境にある人はやった方がいいと思います。

今回は、ボクが最も長く勤めていた(大学3年生の頃、約1年半)
飲食店でのアルバイト回想録です。




東京は新宿、某有名百貨店の隣に、
○○○会館という飲食店を中心とした古いビルがある。
その中のひとつ、とあるロシア料理店で、ボクはウエイターをしていた。

人と交わるのが苦手だったボクが、なぜ接客業を選んだのか。
なにがしかの向上心があったのか、今では定かではない。
なにせ25年も前のことなのだから・・・


面接の時、店長に、自分はウエイターは未経験であるが大丈夫かと訪ねた。
店長は、「かーんたんだから大丈夫!」と、笑いながら答えた。
しかしそれは、十数年も経験を積んだ店長の感覚からの回答だった。

ロシア料理店を選んだのは、なんとなくマイナーで、
もしかして、ほどほど楽なんじゃないかという憶測があった。

しかし、それは実際に勤めだして、ことごとく覆された。
まず、メニューが多い。
アラカルト。コースメニュー。昼はランチメニュー・・・
それらをすべて覚えなければならない。
そして最難関はオーダーを取りに行く時だ。

その店には、メモをとってはいけないという美学があった。

最近のファミレスにある端末も、もちろん無かった。
すべて、その場で記憶しなければならないのだ。
2〜3人ならよかった。
6人以上で、バラバラに注文される時もある。
コースの場合には、スープを選んでもらい、肉の焼き加減を聞く。
もうわけがわからない。

更に、その注文を口頭で厨房に伝えるわけだが、
その際には、またメニューとは違う、別の名称で伝えなければならないのだ。
ロシア語をベースとした短縮した名称で。
例えば、
ロシア風ハンバーグ→ビトーチキ
にしんの酢漬けサワークリーム和え→セリョートカサワー
トマトとアスパラガスのサラダ→プリンセス(かわいい)
などなど・・・

厨房に向かって、大きな声で、
「ニューオーダー! ワン○○○○、ツー○○○○、フォータイム○○○○、スープは○○○でお願いします!!」
と、叫ぶのだ。
「もっと大きな声で!」と、何度言われたことか・・・


最初の頃は、裏でグラスなどを洗いながら、
先輩のオーダーの伝え方などを聴いて、耳で覚えた。
そして、自分でも実際にオーダーを取りながら、徐々に慣れていった。
ボクも若かったので、吸収が速かったのだろう。
わりとすぐに覚えることができた。

慣れてくると、ウエイターという仕事はなかなか面白い。
お客さんが埋め尽くすホールを、さばいていく快感をおぼえるのだ。
忙しい時ほど時間を忘れ、夢中でお客さんのオーダーを取り、料理を出し、
テーブルをかたずけ、あっという間に閉店時間をむかえる。
ああ、この充実感をボクはバイトに求めていたんだな、と思った。
たまにはお客さんに「美味しかったです」と言われることもある。
自分が作ったわけではないが、嬉しいものだ。


だが、忙しさにも限度がある。
ある休日のランチタイム。
店は外にお客さんが並ぶほど、猛烈に混んでいた。
ボクはホールを早足で周りながら、
(あれをああして、これをああする間にあれをこうして・・・)
と、頭の中で段取りしながらもパンク寸前だった。
そんな中でもお客さんは、容赦なく「すみませーん!」と呼びつける。
混んでいて料理の出る時間も遅れがちで、お客さんもイライラしている。
ボクが他のお客さんのオーダーを聞いている最中にも、お客さんは呼びつける。
「すみませーん!」「あのー、ちょっと!」「お願いしまーす!」

「少々お待ちください!」

ボクは若干キレ気味にそう言ってしまった。

「まあ、感じ悪い!」
そう言われたような気がする。
当然だろう。
ボクも客の立場だったらそう思う。
そして二度と来ないと心に誓うだろう・・・
接客業の難しさを実感した瞬間だった。


***


厨房をとりまとめるのは、チーフと呼ばれる小柄で白髪のベテランシェフだった。
すべてのメニューの、レシピ、味はチーフが決定している。
決して他のシェフに声を荒げたりしない、いかにも品のいい紳士だったが、
奥に秘めた威圧感があった。

一度、テレビ(N○K)がこのチーフをメインに、店の取材に来たことがあった。

チーフは東京オリンピックの時、選手村で腕をふるった。
世界を周り、ロシア料理を学び、今の店に落ち着いた。
放送では、手作りのピロシキの美味しさをうまく伝えていた。
放送日以降、ひと月くらいは日本全国からお客が訪れ、店はてんやわんやだった。


バイトに出勤する際、まず、地下のロッカールームで着替える。
ロッカールームのとなりは、従業員用の食堂兼、休憩室になっていた。
夕方5時に出勤すると、食堂の隅の定位置に、いつもチーフが休んでいた。
食事は決まって「きしめん」だった。
チーフは名古屋出身らしい。きしめんは食堂の裏メニューだった。
他の従業員と距離を置き、
ひとりでタバコを吸いながらテレビを見上げているチーフは、
どこか寂しげに見えた。


***


ホールにはボクの他に、お調子者の中国人と台湾人のウエイターがいた。
みんな日本語をあっと言う間におぼえ、明るく元気に働いていた。
ボクは彼らとは仲がよかった。
たどたどしい日本語でのコミュニケーションが、逆にボクの心の壁を取り払ってくれた。

【関連記事】→アジアの片隅で~1989

閉店が近づき、客が減ってくると、
ボクらは裏でこっそり、ひとつのグラスにワインを注ぐ。
ちびちびやりながら働く。
うっすら顔が赤くなっていた中国人のTさん。
チーフにも、店長にもバレバレだったと思うが、黙認されていた。
彼らは、朝から晩まで、毎日フルタイムで懸命に働いていた。


閉店時間。
お客が帰ったあとは、まかないの時間だ。
ボルシチとライス。これが定番。
いつも同じだったが全く飽きることはなかった。すごく美味しい。
たまにピロシキも付けてくれた。
あとは飲み物を一杯ずつ。
ジュースでもワインでも。
ボクたちは、もちろんワイン。
働いたあとのワインは格別にうまい。
その前にもちびちび飲んでたけど(笑)

たわいもない会話をしながら、労をねぎらいながら、
カチャカチャとボルシチライスを食す。
この瞬間が、このバイトでいちばん楽しいひとときだった。




今でも、夢を見ることがある。
突然、店長から電話がかかってきて、人手が足りないので復帰してほしいと頼まれる。
25年ぶりにホールに立ったボクは、ほとんどのメニューを忘れていて、
おおいに焦っている・・・


でももう、その心配はなさそうだ。
ボクの働いていたこの店は、2008年に閉じてしまったらしい・・・
この記事を書く際、ネットで検索して初めて知った。

チーフはボクがいた頃、すでにおじいさんだった。
きっと何かの事情で引退し、うまく引き継ぐこともできなかったのだろう。


今までに何度か、たまには訪れてみようか、と思うこともあったが、
当時の知っている人と会うのが、なんとなく照れくさく、足が遠のいていた。
しかし、こんなことなら・・・


とても寂しく残念だが、
あの頃の充実感、仲間との楽しい思い出、あのボルシチライスの味・・・
ボクは決して忘れない。
きっとまた夢で会えるだろう。


ありがとう。ボクのこころの「ペチカ」・・・









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コメント

  1. smile | URL | -

    ロシア料理食べたこと無いれす

    学生時代のアルバイトはいい経験になりますね。
    心残りなのは飲食業でのアルバイトをしなかったことです。

    憧れますね~まかない(笑)
    ロシア料理食べたこと無いですが
    働いた後のまかない&ワインはさぞ旨かったでしょうね。

    お店無くなっちゃって残念でしたね。
    思い出深い場所が無くなってしまうのは寂しいですが
    思い出は残りますからね。
    若い方々にもいろいろ経験してほしいと思います。

    若者よ、お金を稼いでPerfumeを追っかけるのじゃ~www

  2. SUM | URL | cPY8QrLs

    20年以上前に行きました

    2回目のコメです。○○○会館のペチカ、2階の隅の方でしたでしょうか?初めて行ったのはたぶん24-25年前、って時期がかぶってますよ。オーダーとっていただいたかも・・・。当時新宿から近いところに住んでいたので、ロシア料理食べたいねと妻と探して行ったのがペチカでした。私はワインではなく、キンキンに冷やしたグラスに注いでくれるウォッカ派でした。その後はお客さんを連れて行ったり、一度は20人ぐらいのパーティーもしました。パーティーをしたのは7-8年ぐらい前なので、「お願いしまーす」とロボトリアさんを呼んだのは私ではありません。ホッ。閉店してしまって寂しいですね。

  3. ロボトリア | URL | -

    >smileさん

    コメントありがとうございます。

    学生さんは是非アルバイトした方がいいと思いますね。
    社会に出てから全然違うと思います。
    お金も稼いでいっぱい使いましょう!

    まかないはいいですよ〜。
    食うに困ったら、飲食店でバイトをすべし!とあの時思いましたね(笑)
    はい、労働の後のワイン&ご飯は最高です。充実感でいっぱいです。

    >お店無くなっちゃって残念でしたね。

    はい。でもとても長い間、頑張ってましたね。
    ボクの働いてたじぶんで、もう老舗でしたから。
    良い思い出を、大切にしたいと思います。

  4. ロボトリア | URL | -

    >SUMさん

    コメントありがとうございます。

    前回はチケットの記事の時でしたね。Boy Meets Girlのお店には行けましたでしょうか?(笑)

    おお、あの頃お店にいらしたのですね! ほんとにオーダー取ったかもしれません!(笑)
    はい、キンキンに冷やしたウォッカ、ボクも何度もお客さんにつぎましたよ。
    トロトロになるんですよね。あれを飲んでボルシチを食べれば、
    胸がカァーっと熱くなって気分はロシア人です。

    >一度は20人ぐらいのパーティーもしました。

    おお、そんなに気に入ってくれたのですね。
    あそこはこじんまりしていて、雰囲気もあったかくていいですよね。
    ボクがいた頃は、今は亡き俳優の丹○哲郎さんがよくいらしてました。
    んー、もう一度行きたかったです。。。

  5. runrun1006 | URL | v8QjPvAY

    私も

    たまに学生時代のバイトの夢を見ます。
    私の場合は、N○Kの天気予報のCG画面を作るのを忘れてしまったまま、トイレでのんびりしているところに、ローカルニュース放送中に画像が無いことに気付いた社員から「天気の画像入ってねーぞ!」と慌てている声が聞こえてきて、トイレから出るに出られずガクブルしている夢です(ほぼ実話に基づく)
    ロボッチさんと同じく焦っている夢なのは何故なんでしょうねぇ。
    いろいろなバイトをしましたが、アルバイトってホント、学校の勉強よりも多くのことを学んだなぁと現在になってしみじみ思うのであります。

  6. ロボトリア | URL | -

    >runrun1006さん

    コメントありがとうございます。

    え、runちゃんCG作るバイトしたんですか? 最先端ですねー、カッチョいいです(^^)

    >「天気の画像入ってねーぞ!」と

    ああ、あの時、画像が乱れたのはrunちゃんがヘマをしたせいだったんですね。
    あれはよく憶えています(ウソ)。

    >焦っている夢なのは何故なんでしょうねぇ。

    ボクは後、学校に遅刻しそうなんだけど、なぜか道を忘れてしまって、
    慌ててる夢を見ますねぇ。走ってるけどなかなか進まないとか(;^_^
    若い頃は、若い頃でいろんなストレスがあったんでしょうね。
    耐性が無い分、トラウマになりやすいのだと思います。

    >アルバイトってホント、学校の勉強よりも多くのことを学んだなぁと

    そうですね。仕事のやり方の他にも、働いている大人の姿を見て、
    いろいろなことを学んだと思います。

  7. RM-2 | URL | J7hHUTVE

    若い頃のアルバイトで...

    得た知識や、バイト仲間とのやりとりって、ずっと忘れないものですよね。
    ロボ様と接客業とが頭の中でしっくり結びつかないのですがw やるべくしてやったのでしょう。
    あ〜ちゃんの言うように「無駄なことなんて何一つない」のが、人生ですから。
    バイトでの情景が臨場感ありすぎて、ニヤニヤしてしまいました。 まかないメシは憬れです♡

    私は新宿のスイス料理の店に入ったことがあって、食べてるとお店の外人スタッフさんがヨーデルを歌いながらテーブルを巡り歩いてくれるのですが、調子にのって次々とリクエストしてたら 近くに来た時にカタコト日本語で「♪モスコシィ リョーリモ チュウモンシテチョダイ」と歌われました 泣。 w

  8. ロボトリア | URL | -

    >RM-2さん

    コメントありがとうございます。

    >ロボ様と接客業とが頭の中でしっくり結びつかないのですがw

    そですか〜(^^) けっこう長く続けられたので、合っていたのだと思いますよ。
    今、やれと言われても難しいかもしれないですが(笑)
    でも、食うに困ったらやるでしょうね。まかない目当てに(笑)

    >バイトでの情景が臨場感ありすぎて、ニヤニヤしてしまいました。

    ありがとうございます。このバイトにはもっといろんなエピソードがあって、
    削ぎ落とすのに苦労したんですよ。

    スイス料理ですか。ボクはそうやってそばに来て歌ってくれるようなお店は苦手かも(;^_^
    シャイなお客なもんで(笑)
    ○○○会館にはスペイン料理のお店もありましたね。
    たしかフラメンコ踊ってたと思います。
    ボクもお店でコザックダンス踊ってました(←もちろん冗談ですよ!)

  9. あやか  (影武者研修無料; | URL | yD6IxOi.

    続: もやもやすること 「~~からお預かり・・

    ロボッチ先生に (コンビニファミレスネタの続き的) しつも~ん!w

     25年前の飲食店では、店員さんが レジでお代を受け取る際には 何と言っていたのですか? 



    run先生はCG作れるんすかっ!?  そしたら、3人娘のホログラム3D映像いっぱい作って、分身の術で 煙に巻くミッションの遂行をお願いします!


    あと、女装すると、3人にくりそつになる影武者も いぱーい!同時募集!

    →応募先:電脳猫&しゅな(女装のスキルを手取り足取り教えるそうです)



      

  10. ロボトリア | URL | -

    >あやか  (影武者研修無料;さん

    コメントありがとうございます。

    25年前は「~~からお預かり」は言ってなかったと思いますよ。
    「〜〜円、お預かりします」ですきっと(記憶はない:笑)
    余談ですが、レジスターがめっちゃレトロな機種でして、
    数字のボタンをガチャガチャガチャっと打つと、回転する数字がドルルルルルって
    表示されるとても趣きのあるレジだったんですよー(わかるかな?汗)

    >run先生はCG作れるんすかっ!?  そしたら、3人娘のホログラム3D映像いっぱい作って、分身の術で 煙に巻くミッションの遂行をお願いします!

    run先生には、ちと荷が重いキモしますが、がんばってもらいましょう!!(笑)

    >→応募先:電脳猫&しゅな(女装のスキルを手取り足取り教えるそうです)

    こちらは問題ないと思いまーすww

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