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『YMO BOOK/OMIYAGE』を今、見てみる その3

2010年06月13日 15:37

OMIYAGE表紙
YMO人気絶頂期に発売された、
現在入手困難な写真集『OMIYAGE』を棚の奥から引っぱりだし、
ちょこっと見てみようのコーナー。第3回目です。

とても久しぶりですが、「YMO OMIYAGE」という検索ワードで
来てくれる人、意外に多いんです。ありがたいです(^^)

第1回はコチラ、第2回はコチラ

第3回目は高橋幸宏ロングインタビューのなかから抜粋。
サディスティック・ミカ・バンド時代からYMOメンバーに出会う頃を振り返っています。
OMIYAGE高橋
――ミカ・バンドは、ロキシー・ミュージックと全英ツアーをやったということでもかなり話題になりましたよね。

高橋 75年です。そのツアーでぼくにとっていちばん大きかったのは、日本のバンドの海外での可能性に確信が持てたということです。海外でやる場合どういう方向でやったらいいかということについても、具体的ではないんだけど何となくわかりました。これはYMOでやってゆく場合の、ある程度基礎になっていると思いますね。

――どういう点がウケたんですか?

高橋 ミカ・バンドというのは、今でも面白いくらい、ポップスの本質をついていたんです。イギリス人が好きそうなポップスですね。アメリカは当時でもずいぶん遅れてましたから……。まず、ファッションひとつにしても、自分たちが考えていることのほうが、外国より面白いと思いましたね。すごいファッショナブルで、音はアメリカナイズされたファンキーなリズムを持っていて、それでもって日本人というのが、彼らにとってはすごい興味深かったと思うんですよ。キッチュなバンドでした。

――ミカ・バンドからサディスティックスに移ってゆく過程は?

高橋 トノバンとミカが別れて、とりあえずその当時やってたメンバーがいちばんやりやすいということでね。やっぱり海外でやったという体験が強く印象に残ってて、もったいないみたいな……要するに、惰性があったと思うんです。

――メンバーは高橋幸宏、高中正義、後藤次利、今井裕の4人だったと思うんですけど、どんな活動をしてたんですか?

高橋 スタジオ・ミュージシャンの仕事が多かったですね。ほとんど毎日ありました。パッケージで4人いっしょに仕事できるみたいなことがありましたから……。サディスティックスのアルバムはビクターと契約して、ミカ・バンドのころと同じようにすぎ時間をかけて録音したんですけど、今、聴いてみると、時間かけたことの意味はないようなレコードですね。音楽的には、フュージョン・ブームがあって、そういうのに足をつっこんだんですよね。でも、ああいう音楽はコンセプトがないんですよ。単にテクニックになってしまってね。

――不本意だったわけですか?

高橋 ある程度そうですね。で、昔から知り合いの細野サンにレコーディングに誘われたときに、一もニもなく飛びついたワケです。ぼくはそういうシーンから抜け出たかったワケだから、タイミングがぴったりだったんです。そのとき、何か予感のようなものはありましたね。

――坂本サンと会ったのはそのときですか?

高橋 いえ、ぼくがCBSソニーでラジっていう女のコをプロデュースしていたとき、そのレコーディングに次利(後藤)がつれてきたのが最初です。その前に日比谷の野音で会ってるらしいんですが、ぼくはよく覚えていません。

――出会いの場面を覚えています?

高橋 彼は芸大だし、大貫妙子のアルバムを聴いて、すごいちゃんとアレンジしてあるなと思ってたのんだワケです。だから、パッと譜面を見せて、ちょっとしか書いてなかったんだけど、「好きなようにやってください」みたいなことを冗談っぽくいったのを覚えています。彼は髪が長くて、ジーパンにゴムゾウリって感じでしたね。でも、すごい興味ある人だった。やっぱり教授って呼ぼうと……。ぼくが教授って呼び始めたんです。

――YMOを結成したころ、高橋サンは『サラヴァ』ってソロ・アルバムをつくってますよね。ちょうど細野サンの『はらいそ』坂本サンの『千のナイフ』と同じ時期で、その3枚のどれにもYMOへの予感みたいなものが入ってて、今聴くと面白いんだけど……。

高橋 あのレコードは、今でもけっこう好きなんです。ぼくの好きな(クロード)ルルーシュの映画『男と女』のなかで『サンバ・サラヴァ』って曲が使われるんですけど、サラヴァというのはそのへんからとってるんです。いわゆるフランス志向のアルバムなんですけど、『サンセット』なんて曲ではシンセサイザーが目一杯でてきたり、かと思うと急にファンキーな曲が入ってたり、なんかメチャクチャなんだけど……一貫して、あんまり明るくないんですよね。

――ルルーシュが好きみたいですね。

高橋 好きですね。ヌーベルバーグから見ると体制に身売りしたみたいにムチャクチャ非難されるけど、ぼくは両方好きなんです。教授の『B-2ユニット』A面の2曲目、あれなんかフランスのヌーベルバーグがでてくる。あの曲、すごく好きなんです。ルルーシュもかなりしたたかな人なんですよ。映画の台詞(せりふ)なんか聞くとよくわかる。あの人、ドキュメンタリーの出身でしょう。ヌーバルバーグと元は同じだと思うんです。だからこそ、ヌーベルバーグのほうは「この叙情派フォークめ!」という感じで余計意識する。でも、両方とも共通してすごいロマンチックなんですよ。

―以上抜粋おわり―



幸宏さんは、ミカ・バンドのことを、「今でも面白い」と言っていましたが、
このインタビューは今から約30年前です。
2010年の今、ボクは言いたいと思います。「ミカ・バンドは今でも面白い」と。


人との出会い、別れ、タイミングが重なりYMOは結成されました。

ミカ・バンドで海外公演成功を経験しながらも、フュージョンから抜け出したかった、高橋幸宏
まだ根無し草のようだった、天才坂本龍一。
エキゾチックサウンドの次への可能性を見出したかった、細野晴臣。
この3人が集まったのはまさに、偶然であり必然でもありました。
細野晴臣ひとりの野望では決して成り立たなかった“現象”でした。

この奇跡の出会いに、もし神というものがいるならば、ボクは感謝せずにはいられません。


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コメント

  1. PPPHIVE | URL | -

    僕も

    まさにYMOど真ん中世代です。
    特に中3での“SOLID STATE SURVIVOR” 、高校1年時の“Public Pressure”の
    ライブ感でとどめを刺されました。
    その後は増殖、BGM、アフターサーヴィスまで…
    お金が無いのに必死にためて買ってた記憶があります(笑)

    KraftWork記事なども大変興味深く拝見させてもらってます。
    DaftPankなども含めてこの辺りの音に反応した世代が
    PerfumeのFanの平均年齢を引き上げてるんでしょうね(笑)

    ロボトリアさんのブログ、僕もブックマークさせて頂いておりますm(_ _)m

  2. PPPHIVE | URL | -

    訂正

    KraftWerkでした(笑)

  3. ロボトリア | URL | -

    Re: 僕も

    PPPHIVEさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

    まさに同世代。
    ボクも中三の夏に『SOLID STATE SURVIVOR』を狂ったように聞き続け、
    志望校を1ランク落としました(それが理由なのか?)。

    > PerfumeのFanの平均年齢を引き上げてるんでしょうね(笑)

    かつて、これほどオッサンのファンが多いアイドルがいたでしょうか。
    いや、いないw

    ブックマークありがとうございます(*^^*)

  4. マルケン | URL | 5.eTduME

    Ballet

    こんにちは。
    "OMIYAGE"のキーワード検索でたどり着きました。

    写真集『OMIYAGE』には、『BGM』の曲の日本語訳が載っているとのことなのですが、Balletの日本語訳を教えていただけませんか?

    実際は、ユキヒロさんが作詞したものを、ピーター=バラカンさんが英訳したので、日本語の方が原詩ということになりますが・・・

    よろしくお願い致します。

  5. ロボトリア | URL | -

    >マルケンさん

    コメントありがとうございます。

    ***


    古い色褪せたページをめくると
    CALLAの香り

    彼女は壁の向こうからの難民だった

    空気の中に描いた物語を演じる

    闇の中の不倫
    沈黙の喝采

    悲しみと共に踊る
    彼女自身の為に
    動きに没頭し
    終わりのない無言劇

    影に嫉妬の目
    五月の氷のよう……
    シルエットの中のPoints
    ゆるやかに消え褪せてゆく靴


    ***

    CALLA: 白いユリのような花
    Points: 点、バレエを踊る際、つま先で
    立つこと、および、立って踊ること

    ***




    以上です!(^_^)

  6. マルケン | URL | 5.eTduME

    ありがとうございます!

    お忙しい中、感謝いたします。

    あの曲が大好きで、歌詞をネットで調べ、意味を考えていました。
    英語の歌詞はあるのですが、日本語が見つからないので、ご質問しました。


    points はやはり爪先立ちをするという意味でしたか・・・
    シルエットの中の点々(水玉模様みたいな感じ)という訳も可能だったので、
    どっちかなと案じてました。

    この詩は、ユキヒロさんのオリジナルで、
    これをバラカンさんが英語にしたということなのでしょうね。

    「壁の向こうからの難民」「五月の氷」というのが、何をイメージして紡ぎ出された言葉なのか、ユキヒロさんに訊いてみたいです。

  7. ロボトリア | URL | -

    >マルケンさん

    コメントありがとうございます。

    いえいえ、バレエはボクもBGMの中ではいちばん好きですね〜。

    歌詞は曲が出来ていく過程で削除されたり、
    付け加えられたり、ということもあるのではと想像しています。
    抽象的な感じがしますし。
    日本語で歌うことが前提だったら、また違っていたでしょうね。
    幸宏さんはバラカンさんを全面的に信頼していたようです。


    もしかしてご覧になったかもしれませんが、下記のブログ記事のコメント欄で、
    バレエに関して非常に興味深い考察のやりとりがありますよ。

    http://ameblo.jp/cosmic2111/entry-11753624836.html

  8. マルケン | URL | 5.eTduME

    おもしろいですね

    情報ありがとうございます。
    行ってみました。

    あのやりとり、すごいですね。
    布井譲のフランス語が、CUEの歌詞と一致するというのは、ノーベル賞ものの発見ですよね(笑)。

    私も、よそで仕入れたウンチクを一つ。
    レンピッカの絵です。ユキヒロさんのお気に入りだったとも聞いています。http://www.ntv.co.jp/lempicka/about/pict7.html

    ご存知でしたらすみません。

  9. ロボトリア | URL | -

    >マルケンさん

    コメントありがとうございます。

    鋭い考察をする人がいるもんですね。ボクはぼんやり聴いているばかりで(笑)

    タマラのカラーの絵。OMIYAGEに載っていた幸宏さんの家に飾られたカラーとそっくりです。
    当然、意識しているのでしょうね。
    当時は大人になったらあんな風にアールデコに統一された家で暮らせるのかなあ、なんて
    夢想したこともありましたけど…(笑)

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