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☆短編妄想小説☆「本日休講」第七話

2012年07月02日 20:17

恥ずかしながら、続きが書けてしまいました(*^^*)
どれほどの需要があるかわかりませんが、
あくまでも自己満足小説ですので、どうかお許しを(;^_^


第一話は→コチラ
第二話は→コチラ
第三話は→コチラ
第四話は→コチラ
第五話は→コチラ
第六話は→コチラ




辺りが暗くなるとバーベキューは終了した。
時間はまだ宵の口だ。

学生たちは助手の指示通り、めいめい風呂に入り、自由に時間を過ごす。

寮のロフトのようなスペースには、雑誌やマンガ、
オセロや木でできたパズルなどが置いてあり、憩いの場となっている。
ほどよい狭さが落ち着けるのだ。
ボクは風呂から出ると、そこへ行った。

幾人かの学生たちが集まっているそのロフトの片隅で、西脇と大本を見つけた。
床にぺたんと座って将棋をさしている。

「へー、将棋やるんだ」

「うん、今教えてもらったんよ。駒の動かし方」

振り向いた西脇の顔は、すっぴんだった。
風呂から出たばかりなのだろう。肌がつやつやと光っている。
黒い髪も乾ききってはおらずキラキラ輝いている。
素朴な美しさにボクは不意をつかれ(あ!)と思ったが、表情には出さなかった。

「え、今? 難しいでしょ? 将棋」

「うん、難しい! ろぼっちは将棋できるの?」

大本が将棋盤から顔を上げた。
やはり、すっぴんだ。

(う、かわいい…)

初めて見る大本の顔だった。
普段のともすれば、とっつきにくいほどのクールビューティな顔は影をひそめ、
大本本来の、優しく、飾り気のない人柄がにじみ出ていた。
いつもの「鎧」を外した二人はどこか幼くも見えたが、
すっぴんであることを、気にも留めていない風であった。

「う〜ん、だめだ〜、また負ける〜」

どうやら大本は西脇に連敗中らしい。

「わたしもう、飽きたけえ、ふたりで将棋やりんさい」

そう言い残すと、西脇はそそくさと行ってしまった。
・・・気を効かせたのだろうか?

「あー、あ〜ちゃんに見捨てられちったよう、悲しいよう」

「ハハ、そんなことないって。どれどれ、ちょっとボクとやってみよっか。
ボクも出来るとは言っても小学生の時以来だし、全然強くなかったし・・・」

「そうなん?」

「うん、動かし方をね、知ってるだけだよ」

「じゃあ条件は一緒だね、やろうやろう!」

目の前で、ぎこちなく、ばらばらと駒を並べ直す大本。
風呂上がりの大本は、襟ぐりの大きめなTシャツ1枚。
温かな体温にいぶされるように、体からほのかなせっけんの香りが漂ってきた。
ボクは軽いめまいを感じながら、平静を装うのに必死だった。

「飛車と角、逆だよ」

「うるしゃい、今直すとこ!」

「はいはいすいません」

「よし、できたー。最初はグー、ジャンケンポン!」

じゃんけんで先手をとった大本がおもむろに駒を進めた。

(ん? はー、なんじゃこりゃ。コイツ何も考えてないな)

「ふふん、ろぼっちの番だよ。ほれ、はよう打って、はよう」

あまりにも意外な一手に、少しあっけにとられたが、気を取り直し、駒を進めた。

すぐに駒を進める大本。

同じく駒を進めるボク。

大本。
ボク。
大本。
ボク。
大本。
ボク。
大本。
ボク。

「ちょっと待ったーー!、ろぼっちずるい!」
「え、ずるいって・・・だって大本逃げないんだもん」

あっさりと、角をとられた大本は口を尖らせていたが、仕方が無い。
ほっぺたを膨らませつつ、次の駒を進める大本。
同じく駒を進めるボク。
大本。
ボク。
大本。
ボク。
大本。
ボク。
大本。
ボク。

「ばーーー、だめーー!!」
「ははは、だから、なんで逃げないの?」
「だって、あたしが先にとれると思ったんだもん」
「攻撃は最大の防御なり、か…大本らしいや。でも読み間違いだね」
「もー!この勝負ノーカウント。もっかいやる!」

両手でやけっぱちに駒をかき混ぜる大本。

「あーあ、まったく子どもみたいだな」
「子どもでいいよ! ろぼっちも子どもにはもっと優しくしてもいんじゃない?」
「はいはい」
「あー、また子ども扱い!」
「だって子どもでいいって・・・」
「ふん!もう知りません!」

そこへ西脇が戻ってきた。

「ありゃりゃ、なにケンカしとるん? もっと仲良くせんと!」
「だって、ろぼっちがずるい手使いよるけん・・・」
「ちょ、ずるくないでしょ」
「初心者にはもっと優しくしてもいいと思いまーす」

そう言うと大本はぷいと横を向いてしまった。

「まあまあ、あんたも子どもみたいに拗ねんと。
これは勝負じゃけん、手加減したら、あんたもっと怒るん違う?」

「う…まあ、そうかも・・・」

西脇の言うことには大本はなぜか従順だ。
急にしゅんとしてしまった。

「ね、とにかく将棋はそのへんにしといて、下にいくよ。
みんな下に集まってって。肝試し始めるらしいよー」

ロフトで遊んでいた学生たちが次々に下に降りていく。


大本が階段を降りようとした時、
   最後に残ったボクの方を振り向いた。


「ごめんね、ろぼっち!」


眉を八の字した、はにかんだ笑顔。


「いいよ、ボクの方こそ、ごめんね」

「うん!」


子どものような、無邪気な微笑みで返してくれた。






7:2のっち横顔



※この物語はフィクションであり実在の人物とは一切関係がありません♪



コメント

  1. いけぽん | URL | -

    第七話、心待ちにしておりました(笑)

    大本さんの将棋の指し方が、僕の抱いているのっちのイメージと同じで、嬉しくなりました。

    ストーリーは、ろぼっちさんと大本さんの距離がだんだん近づいて来ましたね。
    とっても羨ましい。嫉妬しそうです(笑) 

    今後の展開が、ますます楽しみになって来ました(笑)







  2. ロボトリア | URL | -

    >いけぽんさん

    コメントありがとうございます。

    のっちは基本的に「攻め」の人であるかなと。
    でも、詰めが甘いとこあるかなと。そして、そこが憎めないとこかなと(笑)

    調子に乗らず、程よい距離感を大切にしたいと思っています(*^^*)
    なんちて(笑)

  3. Electro-Black | URL | -

    2人(ろ&の)&2人(あ&か)の距離が・・

    待ってました!!
    需要ありありですよ(笑)
    第6話でのろぼっち君と大本さんのびみょ~な距離感(でも確実に縮まっているw)が想像(妄想?)をかきたててくれました。
    そして第7話!!  西脇さんが・・・・将棋の相手を気を遣って譲ったということはですよ、、西脇さんは、、、、、もうすでに大本さんから何らかの告白を受けている可能性が!!  西脇さんは気ぃ遣いですからねw
    あとは、どちらが一歩踏み出すかですね・・・(ろぼっち君は若干受け身な希ガスw)

    なにげに、締めののっち画像がけっこう毎回楽しみです。初見のものばかりでありがとうございます(笑)今回ののっち画像は凄過ぎました。  画像を(おそらく悩みながら)選定しているろぼっちさんの画が脳内をよぎると少し(笑)です。 

    次話も期待してます\(^o^)/

  4. ロボトリア | URL | -

    >Electro-Blackさん

    コメントありがとうございます。

    需要ありますか。よかった、安心しました(笑)
    ひょっとして自分は変態なんじゃないか、と思うことがありまして←

    >西脇さんが・・・・将棋の相手を気を遣って譲ったということはですよ、、

    自由に妄想の翼をひろげていただいているようで嬉しく思います(笑)

    >(ろぼっち君は若干受け身な希ガスw)

    まったくですね。何せ作者が超受け身人間なものでwww

    >なにげに、締めののっち画像がけっこう毎回楽しみです。

    今回は2008年のアイドル雑誌『BOMB』からですね。
    ネットから拾いましたが実物も持ってますよー、これはいいですよー!(*´∇`*)

  5. smile | URL | -

    名前に

    ろぼっちって名前にだいぶ助けられてますね~
    普通の名前だと確実に嫉妬です(笑)

    樫野さんの再登場あるんでしょうか~?
    あるんでしょうね~

    コメントはしてませんでしたが
    実は楽しみにしてますよ~(笑)

  6. ヤジオショー | URL | -

    どこまで引っ張るの?

    2話まとめてコメントなどさせて頂きます。

    おお、今度は夏の清里高原ですか…、海ではないところがろぼっち君らしいなと思いますね。肝試しがレクに入っているのを承知で参加した彼は当然大本さんと……の下心がほんの少し頭の隅にあったはず。そしていよいよ、というところでお決まりの寸止め攻撃。さあ、このあとどうなるのでしょうか?
    まさか、「季節はめぐり秋になった」で次回は始まりませんよね。それとも、「ハッと気がついたろぼっち君、デッサン室でどうやら寝入ってしまい夢をみていた、予備校で一緒だった大本さんは学芸員になると言ってニューヨークに行ったのに何で夢に出てきたんだろう」なんてラストを用意してるなんてないですよね。ヽ(;▽;)ノ

  7. ロボトリア | URL | -

    >smileさん

    コメントありがとうございます。

    実名でやらなくてよかったです(笑)
    今後ますます嫉妬を呼ぶかと思うので内心ヒヤヒヤしているのです(笑)

    >実は楽しみにしてますよ~(笑)

    ありがとうございます。たいへん励まされます(^^)

  8. ロボトリア | URL | -

    >ヤジオショーさん

    コメントありがとうございます。

    ボクは夏はYAMAHA、いえ、山派です(寒)

    >下心がほんの少し頭の隅にあったはず。

    いえいえ、奥手で純朴な、ろぼっちくんは決してそんなことはありませんよ( ̄∇ ̄*)

    >いよいよ、というところでお決まりの寸止め攻撃。

    はい、別名寸止め小説です(笑)

    は!夢オチ! 実はうっすら考えてたり、いなかったり・・・
    展開を具体的に予測しないでくださ〜い(笑)

  9. azu | URL | -

    バーベキュー終わってどんな展開になるのかと思ったら・・・

    将棋って・・・。wでも、この2人ならやりそうな感じもして。^^

    なんだこの妙にリアルな感じはw

    こういうアナログなゲームってすごい性格出るんですよね~。
    私も大本タイプな人間なので、自分の過去にこんな将棋の風景あったようなw

    夢オチはもう使えない!?^^;


  10. ロボトリア | URL | -

    >azuさん

    コメントありがとうございます。

    旅先でなんとなくやりたくなりませんか? 将棋(笑)

    たしかに性格出ますね。ボクは小説にもあるように小学校の時、
    流行った事があって覚えたんですけど、数手先を読むのがどうしても苦手で、
    全然弱かったんです。将棋は絶対向き不向きがあると思います(笑)

    夢オチは捨てたいと思います(泣笑

  11. mtst | URL | WU..WH7.

    うらやましい

    将棋を全く知らないのでこの輪に入れないのです←そういうこっちゃない

    さすがです、リアルな彼女達を連想出来るキーワードがちりばめられてますね。
    将棋のくだりは、以前大富豪を教えてもらって三人で遊んでいると言っていたあ〜ちゃんの話を思い出しましたし。
    のっちさんの先を読まない将棋の打ち方は「今が大事」みたいな所を感じられました。
    >西脇の言うことには大本はなぜか従順だ。
    こんなんそのまんまですし(笑)

    それにしても、こんな楽しい青春を送ってたらその後の人生が変わったに違いないな←前にもこんな事書いた気が…(笑)

  12. ロボトリア | URL | -

    >mtstさん

    コメントありがとうございます。

    将棋のくだりの描写はかなり適当なので知らなくても全然おけーですよ(笑)

    >のっちさんの先を読まない将棋の打ち方は「今が大事」みたいな所を感じられました。

    なんて素晴らしい読者さんなのでしょう。。作者としても教えられる事が多いです(笑)

    本人たちとのリンクは、実際にそうというよりも、
    こうあって欲しいみたいな、願望もありますね(*^^*)

    >それにしても、こんな楽しい青春を送ってたらその後の人生が変わったに違いないな←前にもこんな事書いた気が…(笑)

    ボクももし自転車に乗れてたら人生変わってたといまだに思いますよ←まだいう(笑)

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