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☆短編妄想小説☆「本日休講」第二話

2012年05月02日 20:28

とりあえず続けてみました(;^_^

第一話はこちら→http://robotoria.blog14.fc2.com/blog-entry-561.html





勉強が嫌いだったボクは、ちょとばかり得意で好きだった絵を活かそうと、
この美術大学を目指した。

だが現実はそんなに甘くはなく、受験で鼻っ柱はあっさり折られ、
結局2浪もしてしまった。
だからこそ暗い浪人時代のトンネルを抜けたかのような、
この小川の小道の明るさは、ボクの目にいっそう沁みるのだ。


行き交う美大の学生の格好は少し変わっている。
ボサボサ頭で大きなキャンバスやイーゼルを抱えながら歩く学生。
あれは油絵か日本画の学生だな。
ビジュアル系ロックバンドのようなファッションの学生もいる。
あれはデザイン科の学生だろう。。。
皆、他人の目を気にせず、我が道を行けとばかりに生意気なオーラを出していた。
そんな集団の一員に加われた嬉しさに、まだ浮かれていた4月の終わりだった。


派手な学生が目立つ美大だが、
ボクと大本はデザイン科の学生の中でも、とりわけ地味だった。
ボクは基本、白いシャツにグレーのジャケット、下はジーンズ。
大本はホットパンツで足こそ出してはいるものの、全体の色合いは黒系が多かった。
ショートボブの髪も染めてはいない。黒いままだ。
ただ、そのシンプルなファッションが、大きな目、長い足を持つ、
彼女の素材としての良さを、際立たせているように思えた。



小川の小道を抜けると小さな私鉄の駅がある。
JRの駅から伸びた支線のこの駅は、列車本数が少なく、
朝夕以外は、1時間に3本程度しか来ない。

「あっと、いっちゃったばっかりみたい。く~」

「あーそうだね。ま、のんびり行こうよ。ろぼっち。ウチら時間はたっぷりあるんじゃし」

「そうだね。時間はあるね。お金はないけど、はは」

朝の通学時間が過ぎ、人影まばらなホームのベンチに、ふたり並んで腰掛けた。

静かなホームで聞こえるのは、
サワサワと風になびく葉っぱのこすれる音。野鳥のさえずり。

「・・・」

ボクは早くも話題に困った。
大本とは予備校時代も含めて1年以上同じクラスで過ごしたが、
ボクは大本のことをほとんど知らない。

「ろぼっち、・・・ってさあ」

「え!?」

「デッサン上手だよね」

「え? そう?」

「うん、予備校の時から思ってた」

「そうなの!? そんなことないけど・・・大本の力強いデッサンもすごいと思うよ」

「ううん、あたしのは荒いから・・・、あたしこっそり、ろぼっちのデッサン後ろから見て、
描き方参考にしてたんだよー、エへへ」

「ええっ、ほんとにっ?」

まったく接点がなかったと思っていた大本の意外な告白に、ボクはドギマギした。
自分ではそこそこと思っていたデッサンを褒められて、ボクは舞い上がった。
だが、その嬉しさをうまく表現できない自分がもどかしい。


再びおとずれる沈黙・・・


「お、大本は大学もうなれた?」

「うーん、どうだろ、あたし人としゃべるろが苦手だから・・・
あんまり友達できないよー」

「そう? でも大本、大学入ってから変わったよ。なんていうか、
明るくなったというか、自信があるというか・・・」

「そうかなぁ、んー、そうかもしんない。だって大学入れたんだもん、1年浪人したけど。
あたしでもやれば出来るんだー、って。ちょっと自信ついたよ。フフ」

「そーだよねー。それはボクも同じ。でも課題たいへんだね、やっぱり」

「うん! それはもう!」

大本の笑顔にボクは癒された。


プシューッと音をたて、いつの間にか列車が到着した。
四両編成の小さな列車。

ボクと大本を乗せた電車は、むせび泣くような音をたて、ゆっくりと駅を後にした。


ボクは心臓のあたりがじんわりと温かくなるのを感じていた。




(続きは未定:多分終わりはない:笑)





5:2nocchi



※この物語はフィクションであり実在の人物とは一切関係がありません。多分…




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コメント

  1. おとわ しゅな | URL | QFk3YRjk

    わww

    何このゆるゆる感というか・・・ほのぼの感!
    これから何が起こるんでしょうか!!?ドキドキ。
    途中からすでに心臓の辺りがじんわりときてるんですけどw

    これってロボッチさんの実体験を元に再構成してるんですか?!

  2. ロボトリア | URL | -

    >おとわ しゅなさん

    コメントありがとうございます。

    ほのぼのしてもらえると嬉しいですね~。
    この後どうなるんでしょうか・・・このままゆるゆる行くかもしれません。
    淡々とした感じが好きなので(笑)

    場所の設定は体験を元にしていますが、
    このようなやりとりは、完全な妄想でございますw

  3. RM-2 | URL | J7hHUTVE

    ロボ様のアドバイスどおり・・

    ・・「ろぼっち」さんを「RM-2」さんに置き換えて読んでみたら・・
    (>ω<)/ ~♪ なんて夢のような甘酸っぱい雰囲気なんでしょう、うっとり←単純なヤツです

    もう起承転結はいらないので “環境音楽” みたいに、ゆるゆると永遠に続けてもらってもいいですか? ^^
    あと、最後の のち画像 にやられて、まだたちあがれません・・・(笑) 
    ドストライクな画像れす。 ありがとうございました。明日へのパワーになりましたよ。

  4. この後どんな展開になるのか楽しみです。
    自分のことの様にドキドキします。
    ドラマのラブストーリー物とか苦手なんですけどね。

    ラストののっちの画像いいですね~。
    横にはグレーのジャケットのロボッチさんがいるんですよね。
    確かロボッチさんは佐野さんに似ているとか。
    想像してみます~。

  5. チョービギナー | URL | h7JsBsjs

    「大本」「ろぼっち」のやりとりにジェラシー(笑)

    このおたがいの「呼び方」ですよ。うん。ウマイ事考えるよなあ、と。
    「大本」
    一見ぶっきらぼうのようで、照れと親しみのコチョばゆいブレンドが
    たまらんこの呼び方!
    「ろぼっち」
    もー。ひらがなにしたトコが 100% 確信犯ですよね。誰かさんも
    言ってたじゃないですか。名前を呼んでくれるだけでいーんです、って。

    界隈のあちこちで口をとんがらせながら、「ズリーなあ、もう」とか
    言いながらこれを読んでるとこが目に浮かぶようです。

  6. セラミックおじさん | URL | -

    ロボッチさんは佐野元春を若くしてもっともっと男前にした容姿です

    巧言令色少なし仁

    という言葉がありますが、ロボッチさんに限っては当てはまりません
    男前で言葉が巧みで… 悔しいです

    きっとさぁどこかに欠点があるはずです。
    例えば自転車に乗れないとか…

    まぁ、お会いしたことがあるので、若きロボッチと大本の二人の情景が思い浮かんでしょうがありません
    その上、素敵な画像が貼り付けてあるので、読んでいるとBGMまで聞こえてきます。

    もちろん

    FAKE ITですけどね(笑

  7. ロボトリア | URL | -

    >RM-2さん

    コメントありがとうございます。

    甘酸っぱい気分味わえましたか? 良かったですー(^^)

    もともと憧れのシチュエーションの妄想から始まったので、起承転結は考えにくいんですよね。
    RM-2さんがおっしゃるように “環境音楽”みたいに延々と続くかもしれません(笑)

    >あと、最後の のち画像 にやられて、まだたちあがれません・・・(笑)

    これボクも初めて見つけたんですけど、いいですよね!
    この自然光といい、表情といい、佇まいといい・・・
    この妄想にこれほどぴったりの画像があったことがビックリです。
    どなたか出典をご存知ないでしょうか?

  8. ロボトリア | URL | -

    >リニアモーターボーイさん

    コメントありがとうございます。

    前回から特に進展はしてないんですよね。
    このまま、淡々と微妙な会話のやりとりが続くかもしれないです(笑)

    この画像いいですよね! あまりにこの妄想にピッタリで驚きました。

    >確かロボッチさんは佐野さんに似ているとか。

    よく覚えてましたね(;^_^ 若い頃はほんとによく言われたんですよー(笑)
    ちょうど佐野さんが大きな黒ぶちメガネをかけて、ジャケットを着ていた頃です。
    ボクも黒ぶちメガネかけてましたので。

  9. ロボトリア | URL | -

    >チョービギナーさん

    コメントありがとうございます。

    「ろぼっち」は2浪。「大本」は1浪。一歳年下という設定にしました。
    ですので「大本」という呼び方も自然であるかなと(^^)
    ええ、照れもありますね。「別に女性として意識してませんよ」みたいな(笑)

    >界隈のあちこちで口をとんがらせながら、「ズリーなあ、もう」とか
    言いながらこれを読んでるとこが目に浮かぶようです。

    どうなんですかね。石は投げないでほしいですね(笑)
    単にキモがられているだけとも思いますが(;^_^

  10. ロボトリア | URL | -

    >セラミックおじさんさん

    コメントありがとうございます。

    >ロボッチさんは佐野元春を若くしてもっともっと男前にした容姿です

    実際にお会いした方がおっしゃっているのですから、間違いないでしょう( ̄∇ ̄*)ゞ
    でも、これ信用されると会った時に失望されそう・・・(笑)

    >巧言令色少なし仁

    また難しいことばを・・・ググりましたよ(笑)
    そうですね。ボクを信用してください(笑)

    >きっとさぁどこかに欠点があるはずです。
    例えば自転車に乗れないとか…

    乗れますよー、今は!
    ちなみにボクは字がすごくきたないですよ。
    この記事、直筆で載せたら誰も読まないでしょうね。PCバンザイ(笑)

    >FAKE ITですけどね(笑

    FAKEですかー(笑)ズコー

  11. mtst | URL | WU..WH7.

    なんか

    はずかしいっす。
    ただひたすらはずかしいっす。
    なぜなら人に見せられない程にニヤニヤしてしまってます。

    なんか読んでるうちにロボトリアさんの内っかわに入ってその目線で読んでるんですよ。
    追い討ちをかけるような最後の画像…
    恐るべし妄想主観物語です。

  12. Perfume好きなJ-POP世代 | URL | .lrEKno.

    懐かしき香り

    最初から読ませていただきました。
    僕も『大本』と一緒に歩いてみたい(*^-^)
    この何ともいえぬ柔らかな香り。
    包まれていたいです。

    それにしても、ロボッチさんがあの時こんな事考えていたなんて。甘酸っぱいですね。

    そして、最後の画像です。
    見覚えがあったんですが、思い出せず。
    色々調べて分かりました。

    買っておけばよかったかなと、今更ながら思います。
    やっぱりあの頃のPerfumeは、
    色褪せることのない青春だったんでしょうね。

    ただ今の自分が思うに、
    買わなかったのには理由がありまして、
    おそらく今、あの3人組の当時の画像を見ると、
    涙が止まらなくなるような気がして。

    いつまでも追いかけて、ただ追いかけて、
    目の前にいるPerfumeを追いかけたかったんでしょう。
    初めて出会った時から、Perfumeのコアは変わってはいません。
    ただ、時の過ぎるのが映え方を変えているようにも思えます。

    ロボトリアさん、泣かせないでくださいよ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
    でも、もし続編が出来たら楽しく読ませていただきます(*^▽^*)

  13. ロボトリア | URL | -

    >mtstさん

    コメントありがとうございます。

    ニヤニヤしましたか。それは正しい読み方ですね。
    なぜならボクがニヤニヤしながら書いているからです(笑)
    どうぞ内っかわに入ってください(笑)

    >追い討ちをかけるような最後の画像…

    これいいでしょ! 次の記事で出所を書きました。

  14. ロボトリア | URL | -

    >Perfume好きなJ-POP世代さん

    コメントありがとうございます。

    >この何ともいえぬ柔らかな香り。
    包まれていたいです。

    おお、もったいない評価です。単なる妄想ですから(;^_^
    でも嬉しい!

    >それにしても、ロボッチさんがあの時こんな事考えていたなんて。

    朝の通勤電車の中からのつぶやきから始まりましたね。
    会社が大学のように休講になればいいのに・・・というのが元でした(笑)

    >色々調べて分かりました。

    ちょうどボクも分かったところでした!
    記事にしましたので是非見てみてください。

    >買わなかったのには理由がありまして、
    おそらく今、あの3人組の当時の画像を見ると、
    涙が止まらなくなるような気がして。

    ええっ、そうなんですか。じゃあ次の記事読まない方がいいかも・・・

    >ロボトリアさん、泣かせないでくださいよ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

    うわわ、たいへんだ! ごめんなさい!・・・え?ボクのせい?(笑)

    今の進行形のPerfumeを応援しつつ、過去の美しい思い出の中のPerfumeに
    浸るのも悪くないと思いますよ(^_^)v

  15. runrun1006 | URL | v8QjPvAY

    なるほど

    読んでいて私も心臓の辺りが温かくなりました。で、ここからロボッチが自転車乗れないことが発覚して、大本さんによる特訓が始まるわけですね(^-^)
    なるほどなるほど(^ ^)
    大河小説なので、あと50回程残ってますね。頑張ってくださいo(^▽^)o
    人のことはとやかく言う嫌な奴より

  16. ヤジオショー | URL | -

    このイライラがたまりましぇーん

    またまた、これからというところで寸止め攻撃ですね~
    「おい、ろぼっち、もうちょっと一押しせんか、もーイライラする」と読者におもわせるところは、「愛の予感のジュブナイル、時をかける少女」みたいでイラうれしいです。
    これから電車乗って二人はどこに行くんでしょう、JRに乗り換えて都会にいくと思いきや、大本が「山にいきたいな~」なんていって天狗で有名なあの山に登ったりするんでしょうか?こうご期待ってところですね~
    週一連載よろしくお願いします。(熱心な読者より)(笑)

    舞台のあの大学は私の知ってる武蔵境のアレだと思ったんですが、別のあの大学だったんですね、あの界隈も昔仕事でグルグル廻っていたので懐かしいです。


  17. イトウナオ | URL | -

    はじめまして

    いつも楽しく拝読させていただいております。

    ろぼっちクンと大本サンのお話は、ここ↓
    http://www.youtube.com/watch?v=Kayn4bhyubA
    には映っていないけれど、ごく近くの場所で進行しているのかしら?

    今回のお話。
    30年以上前の光景や匂いまでもが急に思い出され、久しく忘れていた感情の揺らぎにテレながらも、なんだか嬉しくなり、コメントさせてもらいました。

    これからも、楽しみにしております。

  18. ロボトリア | URL | -

    >runrun1006さん

    コメントありがとうございます。

    大本さんと自転車の特訓ですか。それもいいですね。
    でも、全身あざだらけになりそうです(笑)
    いやいやいや大学の頃はもう乗れてましたっ!

    >大河小説なので、あと50回程残ってますね。頑張ってくださいo(^▽^)o

    あのね、タイトルよく見てくらはい。短編って書いてあるでしょ短編って。
    なんですか復帰第一回の更新を終えてずいぶんとさばさばしてますね( ̄∇ ̄*)

  19. ロボトリア | URL | -

    >ヤジオショーさん

    コメントありがとうございます。

    >「愛の予感のジュブナイル、時をかける少女」みたいでイラうれしいです。

    ヤジオショーさん鋭いです。知世版「時をかける少女」の深町くんと芳山さんの下校シーン。
    特に何も語らず、尾道の情緒ある町並を並んで歩く、あの何とも言えぬ距離感が好きなんです。

    電車に乗ってどこに行くんでしょうねー。これから大本さんとゆっくり考えたいと思います(笑)

    あの界隈を回られてたんですか。もしかしてすれ違っていたかもしれませんね(^_^)v

  20. ロボトリア | URL | -

    >イトウナオさん

    初めまして! コメント、そしていつも見ていただきありがとうございます!

    そのCM初めて見ました! ちょうどあの映画の頃でしょうか。
    なんとも甘酸っぱいCMですねー。とても懐かしい気持ちになりました。
    絵の具の匂いが漂ってくるようです。
    ボクはあの映画も見てませんし、その場所へはもう20年近く行ってませんが、
    だいぶ変わったところもあるんでしょうね。

    イトウナオさんはもしかしてボクの先輩にあたるのでしょうか。
    嬉しい感想をいただき感激しております。
    ゆっくりと続けていくつもりですが、これからもよろしくお願いします。

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