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空手道ビジネスマンコース@亀戸支部~第5話

2011年03月19日 18:01

ぼちぼち再開させていただきます(^_^)

前回までのあらすじ

通勤電車から毎日眺めていた憧れの空手少女、大木彩子に吸い寄せられるように
空手道場香心会館のあるビルの前まで来てしまった中年サラリーマン敏夫。
お調子者の道場生イワイと指導員である彩子の温かさに触れ、思わず入門してしまう。
やさしい彩子先生の指導のもと、しがらみのない人たちと汗を流す充実感を感じる敏夫。
そんなある日、オヤジ狩りに取り囲まれた敏夫の前に現れた謎の美少女、樫野美香。
超人的な強さを持つ彼女はその日、香心会館に新たな道場生としてむかえられ、
混乱する敏夫であった。


第1話は→コチラ 第2話は→コチラ
第3話は→コチラ 第4話は→コチラ


美香をむかえたその日の稽古終了後、
彩子先生と美香のスパーリングが始まった。
道場生たちも自主練習をやめて、二人を取り囲むように正座して見学した。

「いくよ、彩子ちゃん」

「どうぞ、お手並み拝見、美香ちゃん。ふふ」

一瞬で真剣な表情に変わった美香が動いた。

「速い!」敏夫がつぶやいた。

美香の高速コンビネーションによる攻撃が始まった。
パンパンパン。彩子がさばく。
なおも美香の攻撃は続く。
じりじりと後退する彩子。

「彩子先生が押されている!」手に汗握る敏夫。

その刹那、一瞬のスキをついて体を入れ替え、彩子が目にも止まらぬ前蹴りを繰り出した。
彩子の足が美香の顔面1センチでぴたっと止まる。

「お~~~」

道場生たちがどよめいた。

「美香ちゃん、すごい上達したねー。びっくりだよ~」

「へへへ、あたしもあたしなりに頑張ってるからね。でもこんなもんじゃないよ。
明日からは本気だすから油断しないでね」

「きゃー、美香ちゃん頼もしいー。その調子で明日もよろしくお願いします」

お互いぺこりと礼をして、笑いながら握手をした。

……

小さな居酒屋のカウンターで敏夫とイワイがビールをあおっていた。

「あの美香さんというのは彩子先生とは知り合いなんですか?
なぜニューヨークから帰国したんでしょう? どうしてあんなに強いんですか?」

「ちょ、ちょっと敏夫さん質問はひとつずつでお願いしますよ~」

考えてみれば敏夫は彩子や香心会館について何も知らなかった。
一気にふくらんだ疑問を道場一の事情通であるイワイにぶつけた。

「まずは香心会館についてお話しましょうか。館長のKIMIKO先生はご存知ですよね?」

「いや、しらない」

「え~、そこからですか~。
KIMIKO先生は元々他流派で10代の頃から空手界のスター選手だったんですよ。
己の技を磨くため20歳の時に単身ニューヨークに渡ったんです。
そこで、大きな外国人選手を相手に苦戦し、疑問に思ったんです。
所詮は体が大きく、体力が勝っているものが有利なんじゃないかって。
それからKIMIKO先生は自分で研究に研究を重ねて、ついに編み出したんです。
女性や体力のない人でも続けていれば必ず強くなれる空手を。
で、香心会館を立ち上げたんです。“香水の香りのようにやさしく広がる強さの環”というのが
香心会館のコンセプトなんです。」

「へ~、なるほどね。どおりで道場の雰囲気が良かったわけだ」

「そうなんです。彩子先生はそれを実践しているわけです。
彩子先生はKIMIKO先生の一番弟子で、日本に香心空手を広めるため
KIMIKO先生がじきじきに任命したんです」

「そうだったんですか。で、美香さんとの関係は?」

「敏夫さん、僕にもビールを飲ませてくださいよ。
さっきからしゃべりっぱなしで・・・」

「ああ、悪い悪い、ビール飲んでよイワイさん!」

敏夫はイワイのコップにいそいそとビールをついだ。

「さあ、続きを」

「美香さんは3年程前まで、普通の女子大生だったんです。
とても内気な人で、何事に対しても自信が持てず、鬱々とした日々を送っていたそうです」

「へ~、そんな風には見えないけどな。むしろ自信にあふれている・・・」

「変わったんですよ。空手に出会って・・・
在学中にふらりとニューヨークへ一人旅に出たんです。
何かが掴めると思ったんですかね~。
で、ニューヨークの街である時、暴漢に襲われそうになったんです」

「あ、今日のボクと一緒だ」

「え? なんですか?」

「いや、なんでも・・それで?」

「そこへ現れたのが修行中の彩子先生だったんです。
彩子先生、あっという間に暴漢たちを伸しちゃった。5人もいたのに」

「5人も! さすがだな~、かっこいいな~、彩子先生・・・」

「美香さん、その時泣きながらこう言ったんです。
わたしにも教えてください!って・・・
それから、KIMIKO先生のもとで二人仲良く修行に励む毎日が続いたんです」

「そうだったんですか。いい話ですね。人に歴史ありだな~。
ところで、美香さんは、なぜ今帰国されたんですか?」

「さっき見たでしょう。彩子さんのスパーリングパートナーを務めるためですよ。
日本には他に務まる人がいませんからね。KIMIKO先生の命令です」

「彩子先生、試合かなんかに出るんですか?」

「ええ、毎年、全日本大会に出場していますよ」

「じゃあ、そこで毎年優勝を?」

「いえ、優勝した事はありません。毎年、準優勝です・・・」

「えっ! 信じられない! だって今、日本で一番って言ったじゃないですか」

「他流派にいるんですよ。とんでもない選手が・・・」

「誰です?」

イワイはもったいぶるように少し間をあけ、おもむろにつぶやいた。

「西牧綾香さんです。
広島でキッズ専門の道場で師範を務めています」

「西牧綾香・・・」

敏夫は興奮でカラカラになった喉にビールを流し込んだ。



(つづく)





勝手にエンディング・テーマ(笑)






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コメント

  1. ちゃか | URL | -

    ついに次回はあ~ちゃん登場かっ!?

    おおおお!!
    どんどん面白くなってきてますね^^
    MIKIKO先生も出てきたし。
    あ~ちゃんがどんな風に出てくるのか
    気になってましたが、
    その手で来ましたかぁ~ww

    次回も楽しみにしてます(●´∀`●)

  2. JOH-T | URL | eT.d39bM

    KIMIKO先生!

    なるほど、香心会館ですか。
    いよいよ面白くなってきましたね。

    ついに西牧綾香登場ですか。
    >広島でキッズ専門の道場
    とは、、、

    3人そろいますね。
    どんな展開になるか楽しみです。o(^_^)o

  3. poncho | URL | -

    広がってきました。

    なるほど、あ~様をそう使うのですね。

    そうすると、次の展開はあ~なって、こうなるのでしょうか?

    ひょっとして、あんな事も、こんな事もあるんですね。

    う~ん わかんにゃい。

  4. ぷなしめじ | URL | NXXK8szM

    導入部分が

    佳境に入ってきましたね。
    ロボトリアさんが何を軸に書いていかれるのか楽しみです。
    やっぱり全国大会かな?
    敏夫が独身なら恋物語もありですか?!ひゃー(*´ω`*)

  5. runrun1006 | URL | v8QjPvAY

    あ~様

    ライバルなんですね。

    ライバルがどう絡んでいくんでしょう。
    気になります。。。

    そういえば最近"刃牙"読んでます。13巻くらいまで読みました。
    記事に関係なくてスミマセン。

  6. RM-2 | URL | EIARM17s

    愛読モード突入!!

    人物のキャラクターやバックグラウンドの描写が丁寧だし、展開も面白いし、ひき込まれます。
    雑誌の人気連載小説のように「愛読モード」に入っております。
    余震や停電の中、このようなストーリーを作っているなんて、さすがはロボ様です。  

    ラジオドラマ化決定のあかつきにはBGMを作曲させていただきたいなぁ~~。        
    (昔サカモト氏のFM番組にデモ曲送って「ユキヒロか?」といわれました ←プチ自慢) 
    これも記事に関係なくてスミマセン。    

  7. パフュ男 | URL | -

    そうきましたか!

    あ~ちゃんが、ライバル。 わくわくしてきました。 このシリーズ、長く続きますかね?(笑) 

  8. チョービギナー | URL | h7JsBsjs

    驚いてます。本当にオモシロイのです。

    ロボッチ様。コレ本当に「ストーリーもろくに決めず、設定を思いついて書き出してしまった」
    のですか(笑)?でも池波正太郎さんも、小説は書き出しさえ決まればあとはキャラクターが
    動き出してくれる、という意味のことを言ってましたしね。

    「たちまち眉が八の字になる、少し舌足らずの顎のラインのキレイな彩子センセイ」や
    「ベージュのトレンチコートのポケットに手をつっこみ、下はグレーのミニスカートに
    黒のブーツの少し鼻にかかった声の美香さん」にいちいち反応してしまう私。
    そしてとうとう「広島でキッズ専門の道場で師範を務めてる綾香さん」の存在が(笑)。

    「Perfumeの掟」とかのダンスを見ていると、彼女達のフィジカルの強さいや、しなやかでいて
    強い、かな。そんな美しさに呆けてしまう瞬間があります。ダンスと武術は違う、というお叱りを
    受けそうですが、そんな私の妄想をロボッチ様は鮮やかにフィクションの世界で
    自由に繰り広げていらっしゃる。脱帽です。

    あと、エンディング、だんだん聴こえ方が最初の頃と違って聴こえてくるようになってるのが
    スゴいと思います。それだけロボッチ様の描く世界が深まってるからなのでしょう。
    それから。私はこの連載小説を読み進めるとき、何故か「Perfume」の「VOICE」が頭の中に
    鳴り響きます。これからの展開を思うと「点と点はつながる」のでしょうか(笑)。
    なのでこの連載小説のオープニング、特に前回までのあらすじとかを読むときは「VOICE」は
    スンゴい「上がります」ので、ぜひお試しいただきたいと思います。

    次回も楽しみぃ~~~~~!!!

  9. ロボトリア | URL | -

    > 皆様へ コメントありがとうございます。

    まとめての返信失礼いたします。
    皆さんのコメントがこの連載を続ける上で本当に励みになっています。
    ありがとうございます!
    この第5話は実は地震の日の直前に、ほぼ仕上げた原稿です。
    この1週間余り、とても続きを書く気力が湧かず、なかなかupする事が出来ませんでしたが、
    まずはこの第5話をupすることによりリスタート出来るのではと思いました。
    また間が空く事があると思いますが最後までお付き合いいただければ幸いです。
    あ、第6話はなんとか今日、下書きしました(^^)


    >ちゃかさん
    いつも楽しみにしていただきほんとにありがとうございます。

    >JOH-Tさん
    あまりハードルを上げず楽しみにしてくださいね(笑)

    >ponchoさん
    あ~なって、こうなると思います。お楽しみに(^^)

    >ぷなしめじさん
    ちゃんと着地できるのか不安になってきました(笑)

    >runrun1006さん
    刃牙読み始めましたね。いい気分転換になると思います。

    >RM-2さん
    褒めていただき恐縮です。今回の原稿は地震の前に書いたものです。
    さすがに直後は書く気にもなりませんでした。
    >(昔サカモト氏のFM番組にデモ曲送って「ユキヒロか?」といわれました ←プチ自慢)
    すごい!プチ自慢じゃないですよ~。なんか聞いた事あるかも。

    >パフュ男さん
    書き始めたら案外長くなってしまいました。いつ終わるんでしょう?(笑)

    >チョービギナーさん
    第1話を書いた後で必死にストーリーを考えました。
    キャラクターがうまく動き出してくれるといいのですが・・・
    ダンスと格闘技とは体の柔軟性やリズム感など共通しているものがあると思っています。
    ですので妄想も膨らみやすいですね(^_^)

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