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カッコイイ暗さとは?「高橋幸宏」

2010年04月27日 21:23

ユキヒロ庭

音楽は、その響きに身をゆだねることで、リアルな現実から自分を解放させ、癒してくれます。
またあるときは、そのアーティストの圧倒的なクリエイティビティを見せつけられ、
そのこと自体に感動をおぼえたりします。

そんな二つの要素を“センス”という武器で両立させてしまう達人がいます。

高橋幸宏

今日はボクが個人的に最高傑作であると思う高橋幸宏の、このアルバムを紹介します。
幸宏椅子
『ニウロマンティック(ロマン神経症)

ロマンティックであること。それはどういうことなのか?
高橋幸宏が病的なまでに、彼独特のロマンティシズムを追求します。
タイトルは NEUROTIC(神経症の、神経症者)と
ROMANTIC(ロマンティック)からの造語です。


1981年に発売されたこの3rdソロ・アルバムは坂本龍一、細野晴臣、
大村憲司、トニー・マンスフィールド、ロキシー・ミュージックから
アンディ・マッケイ、フィル・マンザネラ等が参加、
ロンドンで録音されました。

アートワークは、少し前に発売されたYMO『BGM』に引き続き、
奥村靫正の手による水彩画のジャケット。観音開きのインナースリーブにも様々な水彩画や、
鋤田正義、シーラ・ロックによるフォトグラフィが収められ、とても美しいものでした。
(上の写真2種はインナースリーブの中のものです)

音の方は、基本的には『BGM』の流れを引き継いでいますが、
こちらの方がほんの少し光りを感じ、いい意味で甘いです。ロンドン録音のためでしょうか、
ここちよいエコーが効いていて、全体的にウェットな感じです。
制作前に「暗い音楽をやります」とおっしゃっていましたが、
幸宏さんの場合、あくまでポップスとしてです。

1曲づつみていきましょう。

1.Glass/ガラス
(作詞:ピーター・バラカン、高橋幸宏 作曲:高橋幸宏
ロキシー・ミュージックを彷彿とさせるキラキラとしたイントロに、
けだるいボーカルが地の底からわき上がってきます。
ゴロゴロと転がるようなドラムの入り方が異常にカッコイイ。
切り裂くような大村憲司のギターソロもすごいです。

2.Grand Espoir/大いなる希望
(作詞:細野晴臣 翻訳:ピーター・バラカン 作曲:細野晴臣)
細野さんならではのユーモラスでシュールな歌詞。
幸宏さんの字余りな歌い方もきもちいい。

3.Connection/コネクション
(作詞:高橋幸宏、ピーター・バラカン 作曲:高橋幸宏
スピード感あふれるハイテンションな曲。
ダンダン!と急に曲が終わる「幸宏終わり」

4.New (Red) Roses/神経質な赤いバラ
(作曲:高橋幸宏・大村憲司)
工場音で始まり、オリエンタルでシュールなメロディは非常にイマジナブル。
サビは一転、人間味あふれ叙情的(大村憲司によるものか?)。

5.Extra-ordinary/非・凡
(作詞:高橋幸宏、ピーター・バラカン 作曲:高橋幸宏)
非常にお洒落でカッコイイ曲。
当時、高橋幸宏のブティック、ブリックス・モノに行ったとき流れていて、
とてもマッチしていたのを覚えています。
この曲のサビはボクが今まで聴いた曲の中でいちばん美しいと思うものです。

6.Drip Dry Eeys/ドリップ・ドライ・アイズ
(作詞:クリス・モスデル 作曲:高橋幸宏)
SANDIIのアルバムのために書いた名曲をセルフカバー。
オリジナルよりも情緒的で、アンディ・マッケイのサックスが泣けます。

7.Curtains/カーテン
(作詞:高橋幸宏、ピーター・バラカン 作曲:坂本龍一)
坂本龍一的ロマンティシズム。
ときに激しく、ときにメロディアス。

8.Charge/チャージ
(作曲:高橋幸宏)
機械的ビートが疾走するインスツルメンタル。

9.Something In The Air/予感
(作詞:高橋幸宏、ピーター・バラカン 作曲:高橋幸宏)
アルバムラストを飾る大トリ。
スケール感たっぷりのシンセのイントロは空気の中の輝く粒子まで見えるようです。
病的な暗さを突き抜けた後の明るさに、希望を見出します。
たしか、1982年の高橋幸宏ソロライブでこの曲のバックに、
奥村靫正監督によるビデオクリップが映し出されていました。
映画のような演出のエンドロールがアウトロとピッタリ合っていて感動的でした。


「その日は、みんなでネ。」

アナログ盤の帯に書かれたキャッチコピー。
いつたどり着けるのかわからない、みんなが幸せになれるユートピアを求めて…
ということでしょうか。

翌年の4thアルバム『What,Me Worry?(ボク、大丈夫。)』では、
「きっとうまくいく」や「すぐそこにある」などかなり前向きな(あくまでアイロニーを含めて)、
気分に変化していきますが、ボクはこの『BGM』にほんの少し光が差し込んできたかのような、
『NEUROMANTIC』の「暗さのなかの明るさ」にとても惹かれます。


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5 初期の代表作!テクノ色強い傑作!
5 病んだ魂に浮かぶロマンティックな心象風景のスケッチ
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コメント

  1. ngo900jp | URL | Zzi9DAjw

    残念ながら未聴です

    残念ながら未聴盤ですが、解説を見せていただいて、聴いてみたくなりました。当時はピーター・バラカン氏との協業が多かったんですね。何曲参加しているのか分かりませんが、ロキシーの二人の参加というのも魅力的です。

  2. ロボトリア | URL | -

    Re: 残念ながら未聴です

    ngo900jpさん、こんにちは(^^) コメントありがとうございます。

    昨日、この記事に多少修正を加えたので新着記事として情報がいってしまったのでしょうか。
    それともたまたま見ていただいたのでしょうか。どちらにしても読んでもらってウレシイです。

    このアルバムはYMO『BGM』が好きか嫌いかで分かれると思います。
    『BGM』にギターとサックスが加わりロックテイストが増した感じです。
    この次のアルバム『What,Me Worry?』では一転、乾いた音質になりYMOを始めてからは、
    初めての日本語の歌詞が含まれ話題となりました。
    ピーター・バラカン氏は、幸宏さんの歌詞を直訳するというよりも彼なりの解釈で、英語にした時いちばんしっくりくるwordを選んでいたようです。幸宏さんも信頼しきっていたようですね。

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